1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06805075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末氷 智一 東北大学, 工学部, 助教授 (70173797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 辰夫 東北大学, 工学部, 助手 (60172673)
内田 勇 東北大学, 工学部, 教授 (50005302)
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Keywords | ウルトラマイクロ電極 / 細胞内計測 / プロトプラスト / 光合成 / 酸素濃度計測 / 脂質二分子膜 / ボルタンメトリー / イオンチャンネル |
Research Abstract |
平成6年度の研究で以下の結果を得た。 1.ガラスキャピラリー中に,カーボンを熱分解などにより析出させ,単一細胞内に挿入可能なウルトラマイクロ電極の作製に成功した.また,電解エッチングにより直径1μm以下の白金極微細線を作製し,溶融ガラスで先端部を被覆することによってもウルトラマイクロ電極を作製できた.作製した電極の特性をサイクリックボルタンメトリーにより評価したところ,安定で再現性の良い電極挙動を示すことが確認された. 2.作製したウルトラマイクロ電極を,植物細胞であるハネモのプロトプラストに挿入し,酸素還元反応をボルタンメトリで計測することにより,単一細胞内酸素濃度計測に成功した.また,この細胞の光を照射した場合の挙動に関して検討した結果,ウルトラマイクロ電極を用いた細胞内酸素濃度計測により,急激な細胞内酸素濃度の変化を,リアルタイムで計測できることが明らかとなった. 3.細胞外に設置したマイクロ電極と細胞間の距離を種々変化させ,ボルタンメトリーを行い,酸素濃度を決定した.その結果,暗所下の測定では細胞-電極間の距離が小さくなるにつれ酸素濃度は減少し,この挙動を解析することにより単一細胞が呼吸により消費する酸素量を求めることができた.また,光照射下での挙動を解析し,光合成による酸素発生量を決定することもできた. 4.マイクロ電極を細胞膜類似物である物質二分子膜に近接させ酸素還元電流を計測することにより,ルテニウムアンミン錯体,鉄シアノ錯体のイオンチャンネル透過性を評価することができた.
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