1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06805079
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
融 健 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00163957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植野 禎夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024297)
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Keywords | ラジカル / 不斉付加反応 / スルフィニルシクロペンテノン / スルホキシド / 立体選択的 / 異常ブンメラ-型反応 / ボラン |
Research Abstract |
本研究課題ではα(アリールスルフィニル)シクロアルケノンおよび15EA02:α-(アリールスルフィニル)不飽和カルボニル化合物に対するラジカル経由不斉β-付加反応について検討し、次の知見を得ることが出来た。 α-(アリールスルフィニル)シクロベンテノンへのラジカル付加反応において、アリール基として、p-トリル基、3,5-ジt-ブチル-4-メトキシフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基について検討した。アルキルラジカル発生法として、RI/Et_3B法、R_3B法を用いた。Rとしてはエチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、t-ブチル基を検討した。p-トリルスルフィニルシクロペンテノンではほとんど選択性がでなかったが、アリール基を嵩高くしていくと、立体選択性が飛躍的に増大し、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基の場合には、完全な面選択性が得られた。この100%面選択性はエチルラジカル付加でも観察されるという興味がある結果が得られた。スルフィニルシクロペンテノンのX線解析および^1HNMRにおけるNOEによりカルボニル基とスルホキシドがアンチベリプラナーに位置しオルト位のイソプロピル基が効率的に一方の面を遮蔽していることがわかった。また、4-メチル-2-(アリールスルフィニル)シクロペンテノンのラジカル付加反応を検討したところ、4位のメチル基に対してトランスにアルキルラジカルが攻撃した単一ジアステレオマ-を得た。スルフィニル基は簡単に除去できることから、本反応は、光学活性3,4-ジアルキルシクロペンタノンの簡便な合成法を提供する。鎖状α-(アリールスルフィニル)不飽和カルボニル化合物への同様のラジカル反応を試みたところ、ラジカル付加した後,異常Pummerer型反応が起こりビニルスルフィドを与えるという知見が得られた。
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