1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎盤起源チトクロームP-450HPの性質と発現制御に関する研究
Project/Area Number |
06806011
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Research Institution | FUKUYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 覚 福山大学, 工学部, 助教授 (10191404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 安至 福山大学, 工学部, 助手 (50224895)
楠瀬 正道 福山大学, 工学部, 教授 (10046766)
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Keywords | CytochromeP-450 / CYP4B1 / Expression / cDNA |
Research Abstract |
チトクロームP-450HP(P-450HP)はヒト胎盤cDNAライブラリーより単離されたP-450分子種で、cDNAの塩基配列からタンパク質一次構造が明らかにされているが、タンパク質としての性状は全く不明である。本研究ではP-450HPの機能解明のため、タンパク質一次構造のコンピューター解析およびP-450HPcDNAの発現と遺伝子構造の解明を試みた。 1, P-450camで解明された基質認識部位を参考にP-450HPの6ヵ所の基質認識部位(SRS)を推定した。SRSの中で、著者らが脂肪酸ω水酸化酵素CYP4A6で、基質認識に重要な役割を果たしていることを指摘している58番目から123番目の配列に相当する部分にはSRS1が存在し、両者の間で68%のアミノ酸が置換しており、P-450HPは脂肪酸のω水酸化と異なる機能を有していることが示唆された。2, 大量発現が期待できる大腸菌発現系を用いてP-450HPcDNAの発現を試みた。P-450HPcDNAのORF5'側を6bp、72bpおよび102bp欠失したDeletion mutantを作製し、大腸菌内発現を試みた。培養菌体から膜画分および可溶性画分を調製し、そのCO-差スペクトルを測定したが、P-450に特有なスペクトルは検出されなかった。(3)P-450HPの酵母による発現:P-450HPcDNAリーダー配列をAAAAAAに変更してpAAH5挿入したP-450HP発現ベクターをS. cerevisiae STRに導入した。ミクロソーム画分のCO-差スペクトルを測定し、極微量の発現を確認したが、有為な触媒活性は検出されなかった。4,約8kbのP-450HP遺伝子をクローニングした。開始コドンの上流65bpにはTATAボックスが存在したが、他のP-450で見い出されている発現制御領域に類似する配列は存在せず、P-450HPが未知の様式により制御されていることが示唆された。P-450HPの発現が困難を究め、充分な成果を挙げることが出来なかった。現在、Baculovirus発現系でのP-450HPの発現を試みている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S. Yamamoto: "Oxidation and keto reduction of 12-hydroxy-5,6,10,14-eicosatetraenoic acids in bovine corneal epithelial microsomes." Bichem. Biophys. Acta. 1210. 217-225 (1994)
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[Publications] H. Kawashima: "Purification and cDNA cloning of human liver CYP4A fatty acid ω-hydroxylase." J. Biochem.116. 74-80 (1994)
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[Publications] Y. Kikuta: "Cloning and expression of a novel form of leukotriene B_4 ω-hydroxylase from human liver." FEBS Letters. 348. 70-74 (1994)
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[Publications] 山本 覚: "脂肪酸代謝とチトクロームP-450" 脂質栄養学. 3. 34-44 (1994)
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[Publications] 山本 覚: "AA,EPA,DHA-高度不飽和脂肪酸" 恒星社厚生閣 鹿山 光 編, 244 (1995)