1994 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ卵子表層顆粒中の多精防御物質(PPS)の構造と活性発現機構
Project/Area Number |
06806014
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
河岸 洋和 静岡大学, 農学部, 助教授 (70183283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 光敏 静岡大学, 農学部, 助教授 (00174954)
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Keywords | 多精 / ブタ卵子 |
Research Abstract |
卵子に精子が侵入すると卵子中の表層顆粒が囲卵腔内へ放出され、このことが多精子受精を防ぐ一つの要因となっている。しかし、表層顆粒中のどのような物質が関与しているのかは不明であった。本研究では,このブタ卵子中の活性物質(多精防御物質,polyspermy preventing substance;PPS)の精製を行い、構造と活性発現メカニズムを明らかにしようとしたものである。以下にその結果を述べる。 1)単離・精製: ブタ卵巣は屠殺場にて採取し、直ちに卵子を取り出し、卵丘細胞と透明帯を物理的に除去し,このようんにして得られた卵子をりん酸中で破砕し抽出した。その抽出液から,PNAをリガンドとしたアフィニティークロマトグラフィー,MonoQカラムを用いたFPLC,逆相系カラムを用いたHPLC等を駆使して,活性物質の単離を行った。その結果,SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって単一バンドになるまで精製することができた。 2)構造決定: 予備実験からこの物質は糖蛋白質と考えられ,まず蛋白質部分の構造を明らかにするため、未変性のPPSあるいは酵素消化したペプチドのシークエンシングを試みた。その結果、一部の1次構造を決定することができた。 3)活性発現機構: PPSの人口受精培地の添加によって多精を防御できるこたが確認された、また,この物質の性質を様々な角度から検討した結果,PPSは酵素活性(N-アセチルヘキソサミニダーゼ活性)を有することが推定された。
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