1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06806023
|
Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
田畑 満生 西東京科学大学, 理工学部, 教授 (70041853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯郷 雅之 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10232109)
|
Keywords | 概日時計 / サーカディアンリズム / 魚類 / 成長 / 遊泳行動リズム / 摂餌行動リズム |
Research Abstract |
本研究は,魚類の生体機能が概日時計によって支配され日周リズムを示す特性を応用して,魚類の成長・成熟を改善しようとする初めての試みである.本年度は,西東京科学大学において遊泳行動リズムを24時間連続計測し,概日時計の周期をスペクトル解析によって正確に測定した.その結果,キンギョの遊泳行動の周期は,恒暗では24.4±1.6時間,恒明では25.2±2.5時間,恒薄明では26.0±3.4時間といずれも24時間より長い周期を持っていることが明らかになった.さらに,遊泳行動と同時に,魚が自ら摂餌できるように開発した自発摂餌装置によって摂餌行動のリズムも24時間連続記録した.その結果,(1)明期遊泳・明期摂餌型,(2)明期遊泳・暗期摂餌型あるいは(3)暗期遊泳・明期摂餌型などがみられ,固体によって遊泳行動と摂餌行動リズムが必ずしも同じ位相で生じないことが分かった.また,恒暗あるいは明暗パルス条件下では,自発摂餌行動と遊泳行動にサーカディアンリズム(周期=22.5〜27.5時間)が観察されることから,両リズムは生物時計によって支配されていることが明らかとなった.また,一部の魚では摂餌行動のウルトラディアンリズムが観察された.さらに,これらの実験から特に成長に関する重要な結果としては,自発摂餌によっていつでも自由に摂餌できたキンギョの1ケ月間の体重増加が平均して約1.7倍となったことである.したがって,概日時計で支配された自発摂餌行動を利用することによって魚類の成長が著しく改善されることが示唆された.
|