1995 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓における外分泌および内分泌機序に果す微小循環の役割
Project/Area Number |
06807004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
精山 明敏 大阪大学, 医学部, 助手 (70206605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 健 大阪大学, 医学部, 教授 (10028350)
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Keywords | Pancreas / Exocrine Function / Endocrine Function / Microcir culation / Oxygen Release / Red Blood Cell Velocity / Hemoglobin Oxygenation / Hemoglobin Concentration |
Research Abstract |
平成6年度研究成果: (1)顕微分光装置および循環パラメーターの計測法の確立を、正常血流下のラットの実質臓器(肝臓)および灌流肝を用いて行った。 (2)上記研究で確立した方法論を膵臓に用いて、以下の研究成果を得た。 1.膵外分泌領域の微小血管(直径約10μm)内の酸素輸送に関する循環パラメーターの測定および酸素放出速度を求めることに初めて成功した。 2.膵液分泌量および総蛋白分泌量と微小循環パラメーターとの同時測定により、外分泌機能の亢進と酸素放出速度の増加との関係を定量的に理解し得た。 [平成6年度の研究成果はほぼ当初の計画どうり進展した。] 平成7年度研究成果: 平成7年度の研究においては、膵臓の内分泌機序に果たす微小循環の役割を検討することを目的として研究を進めてきたが、内分泌組織の血管網は外分泌組織のそれと比べ、極めて密であったため、一本一本の微小血管内の循環パラメーターおよび酸素放出速度の測定は技術的に困難であり、断念した。このため、内分泌機能と関連させた外分泌領域の微小血管の循環動態をさらに詳細に検討した。 その結果、以下の新しい知見を得た。 (1)飽食時と絶食時の膵外分泌領域の微小血管からの酸素放出速度には有意な差がみられたが、赤血球速度、ヘモグロビン濃度および酸素飽和度には有意な差はみられなかった。 (2)膵臓の解糖系を抑制することにより、膵外分泌の微小血管からの酸素放出速度が有意に低下した。 [平成7年度は、先述の理由で途中で研究方針を転換したため、上記(1)、(2)の詳細なメカニズムの検討は今後の研究課題とした。]
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Akitoshi Seiyama: "Microspectroscopic measurement of the optical properties of rat liver in visible region." Journal of Microscopy. 175. 84-89 (1994)
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[Publications] Akitoshi Seiyama: "Assessment for rate of O_2 release from single hepatit sinusoids of rats." American Journal of Physiology. 267. H944-H951 (1994)
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[Publications] Akitoshi Seiyama: "Oxygen transfer from single microvessels to acinar cells in secretin-stimulated exocrine pancreas of rats." American Journal of Physiology. (in press). (1996)
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[Publications] Akitoshi Seiyama: "Effect of acetylcholine and calmodulin-inhibitor on O_2 transfer from exocrine pancreatic microvessels of rats." American Journal of Physiology. (in press). (1996)
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[Publications] Akitoshi Seiyama: "Tissue Perfusion and Organ Function : Ischemia/Reperfusion Injury" Elsevier Science, 263 (1996)