1994 Fiscal Year Annual Research Report
網膜芽細胞腫遺伝子産物(Rb)によるDNA複製制御
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06807021
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三原 浩一郎 岡山大学, 医学部, 助手 (50229788)
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Keywords | Rb / DNA複製 |
Research Abstract |
RbはE2F、MyoD、Myogeninなどの転写因子複合体中に検出でき、CATアッセイなどにより転写活性がRbの発現により変化することから転写因子制御であると推定されている。しかし、Rbが転写因子の制御だけではなく、DNA複製に直接関与している可能性を検討した。 c-mycのプロモーター領域には、DNA複製起点の存在が推定されている。Rbが欠損した細胞とRbを発現させた細胞に、このDNA複製起点複製起点領域を含むプラスミドをトランスフェクションにした。その結果、Rbを発現させた細胞では、Rbが欠失した細胞に比べプラスミドのコピー数が減少した。しかし複製起点を含まないブラスミドは影響を受けなかった。 この結果が複製による結果であることを明かにするため、メチル化により制限酵素切断にたいして耐性にしたプラスミドをトランスフェクションし、複製された結果生じたメチル化されていないプラスミドを検出し、Rb発現による影響を検討した。その結果、Rbが発現している細胞では複製していないプラスミドが多く 検出され、一方、Rbが発現していない細胞では複製したプラスミドが多く認められた。したがって、Rbは複製速度に影響を与えることを示している。 これまでの研究で、細胞に複製起点を含むプラスミドをトランフェクションした後のコピー数の変化、およびメチル化プラスミドが複製するとメチル化が解除される現象を解析してきた。この結果からRbがDNA複製に関与することを強く示唆する結果が得られた。現在、RbがDNA複製に関与する直接的な証拠を得るために、in vitroの系としてトポイソメラーゼ活性にRbが影響を与えないかを検討したが、明確な差は得られなかった。そこで今後の計画として、複製の活性を直接検出する他のin vitroの系を開発して直接的な証拠を得たいと考えている。
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Research Products
(1 results)