1994 Fiscal Year Annual Research Report
感染肝細胞表面に発現するマラリア原虫特異蛋白分子の解析
Project/Area Number |
06807024
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坪井 敬文 愛媛大学, 医学部, 助手 (00188616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 本美 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20164072)
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Keywords | マラリア / スポロゾイト / 肝細胞 / 単クローン抗体 |
Research Abstract |
平成6年度は単クローン抗体作成のための抗原を得るために基礎的条件を検討した。まず初代培養肝細胞へのスポロゾイトの感染を効率よく行わせるために、小スケールでのマウス肝細胞培養を確立した。BALB/cマウスの肝細胞をSeglen(1975)の方法によって分離したところ、その生存率は約90%と良好であった。培養容器としては、LAB-TEKチェンバースライドが最も有用であった。また、播き込み細胞数はコンフルエントな状態が最も肝細胞の機能が分化し、より生理的条件に近いと考えられた。次に、大量のスポロゾイトが得られるようにするために、蚊からのスポロゾイト分離条件の検討を行った。まずOzakiら(1984)の方法によってPlasmodium yoelii感染Anopheles stephensiの胸部からスポロゾイトを分離し、マウス尾静脈から感染させ、感染性が保持されているかどうかを確認した。in vivoにおける感染性は確認されたため、次に初代培養マウス肝細胞に感染させた。その結果、in vivoとは異なり、肝細胞表面へのスポロゾイトの接着は多数確認されたが、肝細胞内における分裂体形成は認められなかった。そこで、A.stephensiからできるだけ多くのスポロゾイトを分離するため、P.yoelii感染マウスから吸血した蚊を10日目より20日目まで1日おきに培検し、胸部、腹部及び唾液腺からそれぞれスポロゾイトを分離し、蛍光抗体法を用いて感染スポロゾイト数を算定した。その結果、腹部では感染12日目が19239匹/蚊、胸部と唾液腺では18日後が24990匹/蚊、3615匹/蚊とそれぞれ最多であった。以上の経過の中で分離されたスポロゾイトの感染性をマウスに接種して確認したところ、感染14及び16日目に胸部、腹部、唾液腺から分離されたスポロゾイトによって感染が成立した。今後、この時期のスポロゾイトを用いて初代培養肝細胞に感染させ、このスポロゾイト感染細胞を抗原として単クローン抗体を作成する予定である。
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