1995 Fiscal Year Annual Research Report
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の迅速検出法の開発
Project/Area Number |
06807040
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
坂上 吉一 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 主任研究員 (50192084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶村 計志 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 研究員 (40250336)
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Keywords | メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) / 抗生物質 / MIC値の低下 / DNAプローブ |
Research Abstract |
近畿圏の大阪府立成人病センター(18株)、国立大阪病院(16株)及び北野病院(17株)、関東圏の神奈川県衛生看護学校附属病院(17株)、埼玉県立小児医療センター(27株)、埼玉県立病院(11株)及び及び愛媛大学医学部附属病院(24株)の計132株のMRSAを使用し、各病院のMRSA株について、まず、MRSAに対する耐性度の持続性を検討した。すなわち、各病院のMRSA株を毎日液体培地による継代培養を10日間実施し、毎日メチシリンに対するMIC値の変化を測定した。検討した大部分のMRSA株は約10日間の培養後もメチシリンに対する耐性度の持続が認められたが、各病院毎に1〜2株のMRSA株がメチシリンのMIC値が12.5μg/mlよりもはるかに低下し、MRSAの基準を満たさなくなる現象を認めた。 これらMRSA株によって、メチシリンに対する耐性度の持続性に極端な差異があることの原因を明らかにするため、耐性度を有する株とMRSAの耐性度の脱落した株を使用し、DNAプローブを用いる方法としてのDNA CHEMIPROBEによる遺伝子レベルでのMRSAの差異を検討した。しかし、今回の検討では、耐性度の持続する株を持続しない株の間に明白な差異は認められなかった。このことから、MRSAのメチシリンに対する耐性度の持続性にはその他の要因が関与するものと考えられ、現在、MRSAの細胞膜レベルの検討を実施している。
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