1995 Fiscal Year Annual Research Report
スーパー抗原によるT細胞-B細胞相互作用を介したB細胞活性化の解析-自己免疫疾患の誘因としての検討-
Project/Area Number |
06807047
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
白井 輝 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40244488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石ヶ坪 良明 横浜市立大学, 医学部, 講師 (40137039)
南 陸彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (60092342)
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Keywords | スーパー抗原 / B細胞活性化 / MHCクラスII / マクロファージ / 免疫グロブリン / インターロイキン6 / MCP-1 / 自己免疫 |
Research Abstract |
スーパー抗原の自己免疫疾患の誘因としての可能性を検討するための基礎的研究として、スーパー抗原によるB細胞活性化の可能性を、スーパー抗原が1)クラスIIリガンドとしてB細胞活性化に直接影響を与え得るか否か、2)T細胞-T細胞相互作用を介してB細胞活性化にどのような影響を与えるか、の両面から検討した。平成6年度はスーパー抗原のクラスII陽性細胞への直接作用を主にマウスマクロファージ細胞株を用いた系にて解析したが、本年度は主としてヒトB細胞株を用いた系において検討した。その結果スーパー抗原はマクロファージ細胞株と同様にヒトB細胞株の活性化化にも直接的影響を与え得ることが示された。しかしその効果は細胞の種類、産生される因子、スーパー抗原の種類により異なり、調べた範囲においては、サイトカイン産生(MCP-1)に関しては促進的に、免疫グロブリンの産生に関しては抑制的に作用する結果であった。さらに、T細胞B細胞相互作用を介したスーパー抗原の作用を検討するための基礎的実験として、正常ヒトリンパ球を用いてスーパー抗原によるB細胞活性化を解析した。その結果スーパー抗原はT細胞、B細胞を含んだヒトリンパ球に作用し、免疫グロブリン産生に関して、72時間後にはスーパー抗原の種類により一部促進的な効果を示すが、7日後には全体的に濃度依存的な抑制効果を生じた。近年スーパー抗原が自己免疫疾患、特に慢性関節リウマチの誘因としての可能性が注目をされつつある。しかしそのような研究の多くはスーパー抗原によるT細胞活性化を介した間接的B細胞活性化に注目したものであり、スーパー抗原のB細胞への直接作用に関する研究はほとんどない。本研究においては、スーパー抗原によるB細胞活性化は、B細胞に対する直接作用およびT細胞-B細胞相互作用を介した間接的作用の両面から検討する必要があることを明らかにした。
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