1995 Fiscal Year Annual Research Report
多発性硬化症と重症節無力症における腸管免疫能の差異と経口免疫寛容導入の安全性
Project/Area Number |
06807057
|
Research Institution | Saga Medical School |
Principal Investigator |
松井 真 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (10199739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 康夫 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30117105)
|
Keywords | 多発性硬化症 / 重症筋無力症 / k-カゼイン / 卵白アルブミン / 牛免疫グロブリン / 牛血清アルブミン / メモリーヘルパーT細胞 / 培養上清 |
Research Abstract |
本年度は、多発性硬化症(MS)患者については、昨年から引き続き、食餌性蛋白である卵白アルブミン(OVA),牛血清アルブミン(BSA),κ-カゼイン(k-C)および牛ガンマグロブリン(BGG)の4種について、末梢血リンパ球7日間培養による増殖反応を^3H-チミジン取り込みで測定した。さらに、培養前の末梢血リンパ球亜分画の比率が、7日間培養増殖反応検査における各蛋白抗原の最高濃度である100μg/ml下で同様の7日間の培養後どのように変動するかを検討した。いずれもFITC標識とPE標識のモノクローナル抗体の組み合わせにより、摂氏4度下・30分で二重染色し、フローサイトメトリーにより蛍光陽性細胞を算定した。検索したリンパ球亜分画は以下の9種である:CD3(成熟T細胞)+CD56(NK細胞),CD4またはCD8+CD45RO,CD4+CD26(メモリーヘルパー細胞),CD4+CD25(活性化ヘルパー細胞),CD4+CD29(ヘルパー・インデューサー細胞),CD4+CD45RA(サプレッサー・インデューサー細胞),CD8+CD11a(キラー細胞),CD20+Ia(B細胞)。同時に各蛋白抗原100μg/ml下で末梢血単核球を7日間培養後の培養上清を採取し摂氏-70度で保存した。次年度へ継続する形で、培養上清中に放出された炎症性および抑制性サイトカインをELISAを用いて測定する予定である。以上の3項目について、重症筋無力症(MG)患者、健常人についても施行し、n数を各々5まで伸ばした。 これらの検査より、本年度は以下のことが判明した。OVAとBGGに対する反応はMS患者に特異的なものではなく、MG患者や健常人でも認められる。BSAに反応する個体はなく、むしろ抑制性に作用する対象者が存在する。K-CはMSで増殖反応を観察することが多く、その際に増大するリンパ球亜分画は、メモリーヘルパーT細胞である。
|