1995 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスベクター等を用いたスプライシング制御による筋ジストロフィー症の遺伝子治療
Project/Area Number |
06807058
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
杉野 茂人 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (60226446)
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Keywords | デュシャンヌ型筋ジストロフィー / 遺伝子治療 / スプライシング / アンチセンス / ウイルスベクター |
Research Abstract |
1.引き続き多数のデュシャンヌ型筋ジストロフィー 症(DMD)患者よりの皮膚線維芽細胞を採取培養し液体窒素に保存した。同時に各患者の欠失エクソンをPCR法にて同定した。 2.MyoD遺伝子をレトロウイルスベクターに組み込んだ。このレトロウイルスベクターを感染させ正常人線維芽細胞がMyoblast(筋芽細胞)化することをジストロフィンおよびミオシンの発現で確認した。またDMD患者より採取した線維芽細胞にこのウイルスベクターを感染させてもジストロフィンの発現はみられなかった。 3.スプライシングの制御をin-vitroで特にcell free systemで分析するためDMD遺伝子のエクソンおよびその両側のイントロン領域を3つ並べてベクターに組み込みミニジストロフィン遺伝子とした。 4.3.で用いたエクソン周辺のスプライシング関連配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを合成した。このアンチセンスオリゴヌクレオチドとしてまず、スキップさせたいエクソン(エクソン51)の上流側のエクソン-イントロン境界領域(splicing acceptor site)を含む24merのものを合成した。このとき、普通のDNA、RNAのオリゴヌクレオチドではRNaseの基質となることが考えられるため、αオリゴマーおよび2-0-metyl化したものの2種類を合成した。このアンチセンスオリゴヌクレオチドをくわえてin-vitroでcell freeのスプライシングシステムを行なったが明らかなスプライシングは確認されなかった。今後、このほかの部位のアンチセンスオリゴヌクレオチドを合成し検討していく必要がある。
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