1994 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病児由来の新DNA型菌・新プロテアーゼの病因関与に関する免疫・生化学的研究
Project/Area Number |
06807065
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大津 英二 北里大学, 医学部, 助教授 (80137934)
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Keywords | 特異的抗血清 / 新DNA型まα連鎖球菌 / 血清凝集価 / 新表層抗原 / Western法 / mitogen活性 / 16sRNA genes / 川崎病 |
Research Abstract |
(1)川崎病児咽頭培養を,学会関係及び厚生省「心身医学-川崎病」班員らと,マルチセンター的に試みた。吸収し得た、特異的抗血清を用いて,微量定量的凝集法により実施した。結果は,ガスパック法が良好であり、70%(7/9)以上の症例で,前回流行時に諸同定を終った新DNA型α連鎖球菌(2Strains)と同一の新表層抗原を保有することが判明した。 (2)上記の方法により,代表同定菌に対して,血清凝集価を検討したところ,川崎病児では急性期から,高率に陽性(22/23),同年令の熱性対照(エルシニア感染症6例,伝染性単核球症2例,猩紅熱2例等)では21/25と84%が陰性であった。 (3)細菌学会国際分類委員(江崎孝行教授)チームと,新流行の特異抗原保有株の,DNA-DNA hybridizationでの最終同定を進めている。 (4)代表同定菌より,弱いmitogen活性を持つ30Kプロテアーゼよりも分子量のやや小さい表層抗原を可溶化し,分離・精製を高収量化した。(5)上記抗血清を用いて,22例の川崎病急性期血清中心,新抗原を95%(腹痛・下痢を伴い,エルシニア感染症と考えられる1例は陰性)と高率に,Western法により検出した。猩紅熱10例は全例陰性であり(内3例では、交叉するかにみえる27K前後の抗原が非同時的に存在するかの如きBandがわずかに認められたが)、伝染性単核球症他のウイルス疾患を含む熱性コントロール群(20例以上)では陰性であった。(6)新抗原には、mitogen活性と同時にTNF_αなどのサイトカインの産生促進活性が伺われ、16sRNAのgenesの分類学的系統樹作成にも協力の北里研究所(大村智所長チーム)及び学際助成協力グループと共に,cDNAおよびモノクローナル抗体作成を準備中である。
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Research Products
(1 results)