1995 Fiscal Year Annual Research Report
新生児期における一酸化窒素(NO)と好中球機能との関連
Project/Area Number |
06807066
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Research Institution | KANSAI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷内 昇一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (70171832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高屋 淳二 関西医科大学, 医学部, 助手 (80247923)
圀府寺 美 関西医科大学, 医学部, 助手 (90198614)
木下 洋 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10105778)
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Keywords | 新生児 / 好中球 / 一酸化窒素 / 活性化酸素 |
Research Abstract |
背景:NOはスーパーオキシドと反応して、殺菌作用を有しかつルミノールを発光させるスーパーオキシナイトライト(ONOO^-)となる。ルミノール依存性化学発光法はマクロファージ由来NOの殺菌能の評価に利用されているが、同法による好中球由来NO測定の報告はまだない。 目的:新生児の易感染性を解明する目的で化学発光法を応用して新生児好中球NO産生量を成人好中球と比較検討した。 方法:健康成人6例の静脈血および正常成熟新生児6例の臍帯血をヘパリン採血し、採血後すみやかに比重遠沈法で好中球を分離した。分離した好中球をPBSgで1×10^6個/mlに調整し、ルミノール(50μM)を加えた。その後、phorbol myristate acetate(PMA、200nM)で刺激した場合と、NO合成阻害剤であるN^G-monomethyl-L-arginine(L-NMMA、100μM)を加えた後にPMA刺激した場合との、両者間の最大発光強度を比較した。 結果・考察:最大発光強度はPMA刺激では成人27.0±3.3、新生児6.7±2.0(p<0.01)、L-NMMA添加による発光強度減少量は成人7.6±1.5、新生児1.3±0.9(p<0.01)(単位はすべてcpm×10^<-6>)であった。発光強度減少はL-arginineを加えることによりほぼ回復した。また、MCLA依存性化学発光では成人と新生児で最大発光強度に差がなく、両群ともL-NMMAで発光は阻害されなかった。以上のことから、新生児好中球NO産生量は成人のそれと比較して有意に低下していることが判明した。 結論:新生児では他の好中球機能低下に加えNO産生量の低下も易感染性の一要因であると思われる。
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