1995 Fiscal Year Annual Research Report
酸素分圧変化に応じて発現するラット新生仔肺遺伝子の検索
Project/Area Number |
06807068
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高橋 勇二 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (20154875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 卓 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70013323)
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Keywords | hypoxia / Reoxygenation / differential display / Prolyl hydroxylase / phosphoglycerate mutase / rat |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は、ラットの新生仔、あるいは、胎仔の肺から分離した間質細胞と上皮細胞を低酸素へ暴露しRNA量が変動する遺伝子を検索することである。大気酸素環境下(20%O2,5%CO2,75%N2)でほぼconfluentに達したラット胎仔肺線維芽細胞および肺胞2型細胞を、大気酸素環境あるいは低酸素環境(0-3%O2)でさらに16時間培養しRNAを分離後、蛍光標識オリゴマーを利用したDifferential Display(DD)法を用いて、低酸素条件により発現量が増減する遺伝子を検索した。その結果、lactate dehydrogenase A(LDH), phosphoglycerate mutase, cytochrome b, prolyl 4-hydroxylase等のmRNA量が低酸素暴露によって増加することが示された。LDHを除いた他の遺伝子は本研究によって初めて低酸素に応答することが明らかにされた。prolyl 4-hydroxylase mRNA量は、低酸素刺激16時間目に対象の約2倍に増加した。また、低酸素下に24時間培養後、通常の大気酸素環境下に戻し再酸素化すると4時間後にmRNA量は減少し始め、24時間後には対照値まで低下した。このように、prolyl 4-hydroxylaseは酸素分圧にreciprocalに応答した。また、prolyl 4-hydroxylaseのmRNAの安定性に及ぼす低酸素刺激の影響をactinomycin Dを添加して検討した。そのmRNAの減少速度に低酸素刺激は影響なく、低酸素刺激によるprolyl 4-hydroxylaseのmRNAの増加はtranscription速度の亢進によることが示唆された。 従って、本プロジェクトの初期の目的はほぼ達成されたと言える。
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