1994 Fiscal Year Annual Research Report
BCR/ABL遺伝子導入細胞を用いた遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
06807087
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 益広 新潟大学, 医学部, 助手 (90179531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 賢治 新潟大学。医学部付属病院, 助手 (30186209)
小池 正 新潟大学。医学部付属病院, 助手 (30170161)
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Keywords | BCR / ABL遺伝子 / 遺伝子治療 / homologous recombin ation / FDC-P2 / TK |
Research Abstract |
白血病に対する遺伝子治療を行うには、homologous recombin ation法を用いた遺伝子導入を行う必要がある。我々は、あらかじめBCR-ABL融合癌遺伝子を導入することにより自律増殖能を獲得したマウス血液細胞株を用いて、homologous recombin ation法を応用して遺伝子導入を行うことにより、あらかじめ導入されているBCR-ABLをつぶすためのプラスミッドを作成し、そのプラスミッドについての予備的検討を行ったので報告する。【方法】homologous recombin ation用のプラスミッドpGDTKbcrNcoablreverseは、pGD210(Dr.MartinL.Scottより供与を受けた)を基本に、pSHTから切り出したTKを組み込み、BCR-ABLの間にpMC1NeopolyAより切り出したNeoを組込んだBCR-Neo-ABLをhomologous部位(BCR-ABL領域)の特異性を高めるために逆向きに挿入し直すことにより作成した。遺伝子導入標的細胞としてIL-3依存性マウス骨髄細胞株FDC-P2を用い、遺伝子導入は短形波による電気パルス法で行った。【結果】FDC-P2にBCR-ABL遺伝子を導入することにより得られたすべてのクローンにおいて、1コピーの遺伝子が導入されていた。FDC-P2にpGDTKbcrNeoablreverseを導入することにより、Neo、TKの発現が認められ、G418に耐性となり、かつgancyclovirに対する感受性が亢進したクローンが得られた。これらのクローンには自律増殖能の獲得は認められなかった。【結論】今回作成したプラスミッドを用いれば、homologous recombin ationによりBCR-ABL遺伝子をつぶすことができる可能性が想定され、これらの細胞においては、G418に耐性となり、この作成したプラスミッドがrandomに組み込まれた細胞に比べgancyclovirに対する抵抗性が強く、G418とgancyclovirの両者を用いることにより、homologous recombin ationをおこした細胞を選択することができる考えられた。
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[Publications] Furukawa T,etal: "Establishment of a new cell line with the charactenstics" Leukemia. 8. 171-180 (1994)
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[Publications] Koike T,etal: "The therapeutic significance of mycloperoxidase" Leukemia. 8. 1253-1255 (1994)
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[Publications] Takahashi M,etal: "Transfcction of the bcr/abloncogene into gactor" Hematol Oncol. 12. 53-60 (1994)