1995 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン12を用いた新しい抗癌免疫療法確立の為の基礎的研究
Project/Area Number |
06807102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
椎葉 健一 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90196345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安西 良一 東北大学, 医学部, 助手 (50260427)
石井 誠一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60221066)
力石 秀実 東北大学, 歯学部, 助手 (70091767)
熊谷 勝男 東北大学, 歯学部, 名誉教授 (00005018)
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Keywords | インターロイキン12 / CD3 intermediate T細胞 / TNK細胞 / CD3 CD56細胞 / 細胞障害活性 |
Research Abstract |
(目的)インターロイキン12(IL-12)は、非常に強い抗種瘍及び抗転移作用を持つことが報告され、新たな免疫療法の可能性が注目されているが、その作用機序やエフェクター細胞についてはまだ不明な点も多い。そこでmouseIL-12(mIL-12)のin vivoの投与による宿主免疫担当細胞に与える影響について解析し、そのエフェクター細胞を同定し、次にhumanIL-12(hIL-12)のリンパ球に与える影響を中心にmIL-12の作用機序と比較検討した。(方法と結果)1.mIL-12を前日投与したC57BL/6マウスの脾,肝,肺よりリンパ球を分離し、表面マーカーと細胞障害活性について解析した。脾臓ではほとんど変化を認めず、肺と肝でCD3intermediateNK1.1highの細胞集団の出現とともに細胞障害活性の増強を認めた。抗体補体処理及びCell Sortingによりこの細胞集団に強い細胞障害活性があることが判明し、抗転移作用のエフェクターの1つであることが推測された。2.ヒト末梢リンパ球からプラスチック付着性細胞を除去後、hIL-2単独刺激・hIL-2とhIL-12刺激により誘導される細胞の表面マーカーと細胞障害活性について解析した。hIL-12の刺激により、ヒト末梢血リンパ球に80%の割合でCD3^+CD56^+TCRδ1^+CD4^-CD8^-orCD4^-CD8^+のγδtype、20%の割合でCD3^+CD56^+TCRαβ^+CD4^+CD8^-のαβtypeの細胞が誘導され、これらの細胞の増殖に伴い強い細胞障害活性が誘導された。(結語)mIL-12のin vivo刺激と同様に、in vitroでのhIL-12刺激が、ヒト末梢血リンパ球にT細胞マーカーとNK細胞マーカーの両者を同時に発現し(いわゆるTNK細胞)、強い細胞障害活性を有する細胞を誘導した。従って、このTNK細胞が、動物種を問わず、IL-12の有力なレスポンダー細胞のひとつであることが推定された。
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