1995 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌腹膜転移に対する新しい治療戦略-モノクローナル抗体結合抗癌剤の応用
Project/Area Number |
06807105
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
北村 和也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10224966)
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Keywords | 胃癌 / 腹膜播種 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
本研究では、胃癌の腹膜転移に焦点をしぼり、当教室で確立した胃癌腹膜転移モデルを用いて、モノクローナル抗体結合抗癌剤の特性を実験的に解析し、更にヒトに応用した場合の安全性、動態、効果を明らかにした。 1マウス由来の抗原結合部位を決定する遺伝子と、ヒト由来の非抗原結合部位を支配する遺伝子を大腸菌に組み込み、キメラ抗体A7を合成することに成功した。この抗体とネオカルチノスタチンを結合し、複合体を作製した。この複合体はin vitro,in vivo(主にヌードマウス)において、ヒト胃癌に特異的に反応及び集積し、腫瘍増殖を強く抑制することが判明した。またこれを腹腔内投与し、腹膜播種における効果を検討したところ、極めて良好な治療効果を得ることが出来た。 2複合体に更に腹腔内滞留性をもたせるために、高分子ポリマーであるポリエチレングルコールを結合させその特性を解析した。新しく合成したポリエチレングリコール結合抗体は高い腹腔内滞留性と腫瘍集積性を示すことを明らかにした。 3複合体をインフォームドコンセントが得られた胃癌腹膜播種例に対して投与した。少量投与であるので著明な臨床効果は得られなかったが、副作用は認められなかった。さらに投与量を増やして検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山口俊晴 ほか: "癌のミサイル療法-展望と問題点" カレントテラピー. 13. 160-164 (1995)
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[Publications] 山口俊晴 ほか: "消化器癌-最近のトピックス-キメラ抗体を用いた免疫療法の試み" 外科治療. 72. 439-442 (1995)
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[Publications] K.Kitamura et al.: "Activated carbon oriented laparoscopic cloectomy" The Lancet. 345. 1638-1639 (1995)
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[Publications] K.Kitamura et al.: "Activated carbon orinted gustectomy for early gastric cancer" Br.J.sung. 82. 647-649 (1995)
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[Publications] K.Kitamura et al.: "Raptd and accvrate method for delinenting cancer lesions in loyanosigin coletomy" J.Sung.Oncol. 58. 31-34 (1995)
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[Publications] K.Kitamura et al.: "Total gastrectomy for early gastrie cancer" J.Sung.Onecel.60. 83-88 (1995)