1995 Fiscal Year Annual Research Report
精巣腫瘍におけるアルファフェトプロテインの臨床的意義の再評価
Project/Area Number |
06807127
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
上野 宗久 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60167286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 修宏 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90118977)
中村 薫 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (10146673)
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Keywords | 清巣腫瘍 / アルファフェトプロテイン / サイクリックAMP |
Research Abstract |
平成7年度に得られた実験結果を研究研究計画書(継続)に記載した実験方法の順に報告する。 1.cAMPのAFP産生に対する影響。:KU-MT細胞の培養系にForskolin(4x10^<-6>M)とコレラトキシン(CT,1ng/ml)を加えて各々1時間と3時間培養した後、細胞内のcAMP濃度(pmol/10^5)をRIA法により測定したところ、コントロール群の約40〜80倍に増加した。各濃度のForskolin(4x10^<-8>〜4x10^<-6>M),CT(0.01〜10ng/ml)とジブチルcAMP(5x10^<-6>〜5x10^<-4>M)を同細胞と3日間混合培養し9日目の培養上清中のAFP値をラテックス凝集反応を利用したCIA法により測定した。これら3種の薬剤はいずれも、その濃度に比例してAFP産生を増強させるとともに細胞増殖を抑制した。2.cAMPの細胞周期に与える影響。:実験1.で得られたoptimal doseの各薬剤と培養した後、フローサイトメトリー法を用いてbromodeoxyuridineの取り込みを測定したところ、明らかに低下しており、S期細胞の割合の低下によりKU-MTの細胞増殖が抑制された。3.cAMPによるAFPのmRNAの推移。:培養液中のAFPのbiosynthesisの増加をノザーンプロット法により測定した。コントロール細胞とともにPolyAセレクションにより得られたAFPのmRNAはこれらのcAMP刺激物質によりup-regulateをした。4.レチノイン酸(RA)とcAMP刺激物質の併用効果。mRNAレベルにおけるRAとこれらの薬剤の単独および併用時の変化を求めたが、併用群は単独群に比して明らかに高く、相乗効果と思えるAFPのinductionが認められた。以上の結果より清巣腫瘍の増殖・分化においてRAと同様にcAMPは極めて重要であり、今後の清巣腫瘍の治療に際してあらかじめcAMPを集積させることによりRAの副作用が軽減されることが示唆された。
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