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1995 Fiscal Year Annual Research Report

低出力レーザーの癌治療における有用性の基礎的検討-シスプラチン耐性克服を目指して-

Research Project

Project/Area Number 06807130
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

宇田川 康博  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80118918)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮崎 豊彦  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20174162)
Keywordsレーザー / 活性酸素 / 卵巣癌由来培養株 / CDDP耐性 / GST / GSH / 耐性克服
Research Abstract

我々は、昨年、GST活性の亢進によってCDDPに耐性化していることが既に明らかになっているヒト卵巣癌由来株細胞RTSGに対して、波長1060nmのYAGレーザー(以後レーザーと記す)を照射することによりCDDPの殺細胞効果の顕著な増強がみられることを報告した。しかし、レーザー照射時に熱の発生は不可避であり、CDDP感受性の増強効果が熱の作用である可能性も否定できなかった。そこで、今回我々は、レーザー照射によるCDDPの感受性上昇における熱の関与につき検討した。CDDPの感受性上昇がみられたレーザー照射条件(573.2J/cm^2)で培地温度は43℃に上昇することが確認された。そこで、同じ温度の培地をレーザー照射時間と同時間、細胞に接触させた後、1.5μg/mlのCDDPを添加し、3日間培養後、無処置群に対する細胞生存率を求めた。その結果、加温処理単独群は無処置群と比較して顕著な差はみられず、さらに、加温処理後CDDPを添加した群もCDDP単独群と比較して顕著な差はみられなかった。よって、レーザー照射によるCDDP感受性の増強は熱作用によるものではなく、レーザー光自体の効果であることが示唆された。以上の結果と、生細胞に対してレーザーを照射することで細胞内GST活性が著しく低下した(前年度報告済み)事実から、レーザー照射によるCDDPの効果増強はレーザー照射によりGSTを不活性化することでGSTとの結合やGSTを触媒としたGST抱合によるCDDP解毒能力が低下し、CDDPが効率的にDNA鎖間の架橋を形成することにより抗腫瘍効果が増強するものと考えられた。また、我々は、レーザーがGSTを不活性化する本体として活性酸素を予想しており、それが、GSTのperoxidase活性部位などを飽和することでGSTを不活性化することを想定している。今後、これらを証明すべく現在検討中である。

URL: 

Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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