1994 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜疾患の色調変化と糖鎖レクチン結合様式の解析による臨床診断法の確立
Project/Area Number |
06807148
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸茂 町子 東北大学, 歯学部, 講師 (10005027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三條 大助 東北大学, 歯学部, 教授 (70013943)
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Keywords | 口腔粘膜疾患 / 糖鎖 / レクチン結合様式 / 色調 |
Research Abstract |
口腔粘膜疾患の病因は多岐にわたるため、鑑別診断が非常に困難である。そこで、より早く確実な診断法を確立することを目的として、まず、経過が長く多彩な病態を示す口腔粘膜扁平苔癬について研究した。 1.扁平苔癬の生検時に採取した組織を、7種のペルオキシダーゼ標識レクチンを用いて、組織化学的に糖鎖レクチン結合性を検討した。結果は、WGA、ConAはは結合生を示したが、RCA-1、PNA、SBA、UEA-1は結合性が弱く、DBAは結合性を示さなかった。結合性は、程度の差はあるが正常粘膜とは明らかに異なり、多彩な結合様式を示した。特に、WGAにおいては、病態によりレクチン結合性が異なり、短期治癒の経過をとった網状型に比較し、長期難治性の経過をとった発赤の強い糜爛型ではレクチン結合性が低下し、経過および予後を判定する指標になりうることが判明した。 2.扁平苔癬の粘膜表面の色調の変化は、角化異常の程度により白色病変や発赤病変などの多彩な像を示す。この色彩の判定は肉眼的なものであり、見る人の主観的なものである。そこで、客観的に表現できるミノルタS-100型色彩色差計を利用し、正常粘膜と扁平苔癬の粘膜の色彩を測定するとともにその色差を測定し、その経過による相異についても比較検討中である。
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