1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラット胃セロトニン受容体に関連した低分子量タンパクの遺伝子クローニングと発現
Project/Area Number |
06807170
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60117794)
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Keywords | ラット / 胃 / セロトニン受容体 / アフリカツメガエル卵母細胞 / CHO細胞 / クローニング / 細胞内カルシウム濃度 / 低分子量タンパク |
Research Abstract |
ラット胃底部平滑筋層から得た総mRNAの低分子分画中(500〜700塩基長)に、セロトニン受容体の発現に関与した遺伝子が存在する可能性を見いだした。本研究では、アフリカツメガエル卵母細胞系を用いて、その遺伝子を電気生理学的手法によりクローニングし、コードされた蛋白質の実体と機能について検討した。シークエンス解析の結果、この遺伝子は270塩基長(90アミノ酸)よりなる単一のアミノ酸翻訳領域を有しており、その推定分子量は10.4kDaであった。これはウサギ網状赤血球ライゼ-トによるin vitro tanslation翻訳産物とほぼ一致した。また、ホモロジー検索の結果、高い相同性を持つ蛋白質は、これまでのところ登録されていなかった。さらに、ノーザンブロット解析によりの遺伝子の組織分布について検討したところ、この遺伝子が、脳、心臓、肺、骨格筋などの広範な組織に分布していることを明らかにした。機能的発現を検討するために、哺乳動物由来の培養細胞であるCHO細胞にこの遺伝子を形質移入し、選択的遺伝子マーカーであるネオマイシン耐性遺伝子を用いて形質移入された細胞を選択した。形質移入した細胞では、セロトニン投与後、細胞内Ca濃度が上昇することをCa蛍光支持薬であるfluo-3AMと共焦点レーザー蛍光顕微鏡を用いて発見した。また、ノーザンブロット解析により目的とする遺伝子が高発現していることを確認した。セロトニンによる細胞内Ca濃度上昇はセロトニン受容体拮抗薬であるスピペロン(100nM)により抑制された。平成7年度において、この低分子量蛋白質がセロトニン受容体のサブユニットが、セロトニン受容体と細胞内情報伝達系の連関に機能するものなのか、あるいはセロトニン受容体の転写を促進する因子かなど、現在得られている高発現CHO細胞を用いて検討する予定である〈薬物結合実験、セカンドメッセンジャーの定量、抗体の作製等)。
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Research Products
(1 results)