1995 Fiscal Year Annual Research Report
国宝・上杉本『史記』扁鵲倉公伝における月舟寿桂注の医史学的研究
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06807175
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Research Institution | THE KITASATO INSTITUTE |
Principal Investigator |
小曽戸 洋 社団法人北里研究所, 東洋医学総合研究所, 部長 (90186693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水沢 利忠 文教大学, 文学部, 講師 (50042552)
真柳 誠 北里研究所, 東洋医学総合研究所, 室長 (20249999)
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Keywords | 月舟寿桂(幻雲) / 『史記』扁鵲倉公伝 / 室町時代の医学 / 日中医学文化交流史 / 宋版上杉本『史記』 / 南化本『史記』 / 日本中世医学史 |
Research Abstract |
当該資料である上杉本宋版『史記』(現国立歴史民俗博物館所蔵)の扁鵲倉公伝部分におびただしく書き込まれた室町時代禅僧・月舟寿桂の注記(難解な筆写体)を解読して活字化し、かつそれを解析して考察を加えるのが本研究のねらいである。 解読研究および活字化(パソコン入力)作業は順調に進み、随所に難解文字はあったものの、検討を重ねた結果、ほぼすべての文字(約15万字)について釈読しえた。この釈読部分については、原本の宋版部分を影印し、それに活字印字化した月舟寿桂注を同体裁に張り込むという難作業を行い、相当の労力と日数をかけて完了した。 月舟寿桂注に対する考察(研究)としては、『日本医史学雑誌』に研究協力者も含めて6扁の論考を発表し、これを月舟寿桂注釈文とともに研究成果報告書に収録した(論考篇)。月舟寿桂注の有する限りない歴史的価値の一端を明らかにしたに過ぎないが、今後の研究の方向性は充分に示しえたと考える。 さらに、15万字に及ぶ月舟寿桂注に関して、今後の研究上、検索を容易にするため、書名人名等索引を作成し、研究成果報告書に収録した。本索引は月舟寿桂がいかなる文献を駆使したかを示すもので、当時の中国医学文化の受容情況と知識水準を研究するうえでかけがえのない資料となるであろう。また、研究成果報告書には幕末刊の存誠薬室影宋本『扁鵲倉公伝』も縮印収録し、それに対する一字索引も作成して添付して、今後の研究の便をはかった。 以上のごとく、本研究は当初の計画どおり進行し、予想をはるかに上回る成果を得ることができた。その成果を収録した研究成果報告書は、室町時代の日本医学文化を研究するうえで、今後の研究者を大いに裨益するものと確信する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小曽戸 洋: "近世日本の医薬界における神農画賛流行の背景" 日本医史学雑誌. 40. 333-334 (1994)
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[Publications] 宮川浩也・真柳誠・小曽戸洋: "南化本『史記』幻雲附標に引かれる『存真環中図』について" 日本医史学雑誌. 41. 100-101 (1995)
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[Publications] 真柳誠・宮川浩也・小曽戸洋: "幻雲が引用した『東垣十書』" 日本医史学雑誌. 41. 104-105 (1995)
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[Publications] 小曽戸洋・宮川浩也・真柳誠: "月舟寿桂から曲直瀬道三へ" 日本医史学雑誌. 41. 108-109 (1995)
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[Publications] 北里研究所 東洋医学総合研究所医史学研究部: "『扁鵲倉公伝』幻雲注の翻字と研究" 北里研究所 東洋医学総合研究所医史学研究部, 278 (1996)
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[Publications] 小曽戸 洋: "中国医学古典と日本" 塙書房, 716 (1996)