1994 Fiscal Year Annual Research Report
核酸生合成系多機能酵素(UMPS)遺伝子の分子進化学的研究とその欠損症の本態解明
Project/Area Number |
06807176
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉山 幸八郎 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (60117827)
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Keywords | 先天代謝異常症 / UMP合成酵素 / オロット酸尿症 / 多機能酵素 |
Research Abstract |
1.ヒトUMP合成酵素cDNAをプローブとして2種類のヒトゲノムライブラリー(EMBL3-Sau3AI cutおよびCharon 4A-EcoRIcut)スクリーニングしたところ6個の陽性クローンが得られた。各クローンの制限酵素地図はすべて同じ地図上にのっていたので、UMP合成酵素の遺伝子はヒトのゲノムにおいて単一コピーで存在すると考えられた。また、そのうち2つのクローンはcDNAの5′末端および3′末端の核酸塩基配列にもとづいて合成したオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしたので、現在それらのクローンの制限酵素切断断片のうちでエクソンをふくむものをプラスミドベクターにクローン化している。次年度はエクソン、イントロン境界領域とプロモーター領域の核酸塩基配列を決定しUMP合成酵素ゲノム全体の構造を明らかにする予定である。 2.正常UMP合成酵素cDNAをバキュロウイルスベクター(Invitrogen,pVL1392)にクローン化し昆虫細胞内でUMP合成酵素を発現させた。ポリアクリルアミド電気泳動で分子量およそ52,000のたんぱく質が全たんぱく質の50%の量で認められた。可溶化画分存在するたんぱく質を集め、各種クロマトグラフィーをもちいて本酵素を精製するプロトコールを現在試験中である。純粋なUMP合成酵素が得られたら、家兎に免役しポリクローナル抗体を調製する。私共が経過観察しているオロット酸尿症児の遺伝子変異をもつcDNA断片についてもバキュロウイルスベクターにクローン化しオロット酸ホスホリボシルトランスフェラーゼおよびオロチジン酸デカルボキシラーゼ活性の有無を検討していきたい。
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