1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06808002
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
水野 弘之 京都府立大学, 生活科学部, 教授 (70117977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上掛 利博 京都府立大学, 短期大学部, 助教授 (30194963)
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Keywords | 痴呆性老人 / 在宅介護 / 住まいや住み方の工夫 / 生活空間の改善 / 住居改善 / 在宅福祉 / 高齢者 |
Research Abstract |
●住宅ぼけ老人問題について,その住居的対策に焦点をあてて研究したが,以下の様に当初の予定より大幅に研究が進み,萌芽的研究にふさわしい成果が得られた。 ●わが国および外国の文献調査を行い,その結果、生活空間と痴呆性老人の生活行動には関係があることが明らかになった。 ●福祉・保健・医療・建築などの分野の『ぼけ老人問題』の先駆者(研究者・実務者)に対するヒアリングを実施し,痴呆性老人と生活空間の関係について多くの知識を得た。 ●『ぼけ老人を抱える家族の会』の会員3700人に対する全国アンケート-調査(郵送)を行い,800件の回答を回収した。その分析結果は次のとおりである。 ■住まいや住み方の工夫(生活空間の改善)を実施している家庭は極めて多いことがわかった。 ■失禁・徘徊・危険行為などに関して各家庭では,どのような住居的対策がどれくらい実施されているのか明らかになった。 ■住まいや住み方の工夫による効果が,介護負担の軽減,痴呆性老人の自立の維持向上など多面的に現れていることがわかった。また,生活空間の改善によって痴呆性老人の生活行動能力の低下をかなり捕えることが明らかになった。 ■生活空間の視点から痴呆性老人の生活行動を分析した結果,異常と見られる行動にもそれなりの理由があること,生活空間を改善すればその異常行動が少なくなることも一部解明された。 ●在宅痴呆性老人家庭を訪問して,約20件のケーススタデイを行い,介護苦難と生活空間の関係,介護しやすくするための住まいや住み方の工夫などを詳しく具体的に解明した。
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