1994 Fiscal Year Annual Research Report
民族誌的数学の立場に立つ数学教育の可能性とその教材
Project/Area Number |
06808021
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
湊 三郎 秋田大学, 教育学部, 教授 (20042278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 芳雄 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30006431)
鎌田 次男 秋田大学, 教育学部, 助教授 (90185976)
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Keywords | 人類学 / 民族誌 / 数学 / 数学教育学 / 中学校 / 教材 / ストリート・マセマティックス / エスノ・マセマティックス |
Research Abstract |
民族誌的数学による数学教育なる概念を、研究代表者が過去に導入したメタ数学の概念を援用することによって、これまでの数学教育の概念の枠組みを破壊せず若干拡張するだけで、この枠組みの中に位置付け、更に文化としての数学による数学教育、社会的構成主義、日本人としての学習者の立場、我が国の学校教育関係法規等からこの概念の導入の可能性を示すことができた。この研究結果を平成6年11月27日、岩手大学教育学部を会場に開催された東北数学教育学会第26回年会、兼東北・北陸数学教育基礎的研究会第57回例会において研究代表者が「民族誌的数学の立場に立つ数学教育の可能性」の題目の下で研究協力者二名を含む数十名の参会者の前で発表した。これに先立って行った研究会議とこの研究発表とによって研究代表者と研究分担者との間での共通理解は形成されたと考えている。 しかしこの概念はなお新しい概念であり、類似の概念・用語としてEthnomathematics、Ethno-mathematics、Street mathematics、あるいは教育概念としてEnculturationなどがあり、これらの概念も必ずしも明確ではない。従ってこれらの概念の検討と民族誌的数学、および民族誌的数学による数学教育との異同を明らかにする作業が残っている。なお、民族誌的数学による数学教育の素材を探索するための聞き取り調査の準備や図書、文献の収集は次年度の研究に繋がるものであるので現在継続的に実施中である。
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