1994 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット解析による画像圧縮と連想記憶モデルによる圧縮画像の高速認識
Project/Area Number |
06808035
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
新島 耕一 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30047881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下薗 真一 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (70243988)
溝口 佳寛 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (80209783)
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Keywords | ウェーブレット / 画像圧縮 / 高周波成分 / 低周波成分 / 連想記憶モデル |
Research Abstract |
この研究では、画像を高周波成分と低周波成分に分けるためにドゥビシイのウェーブレットを用いた。理由は、ドゥビシイのウェーブレットフィルターの台が短く、高速分解が可能であるからである。また、このフィルターを用いると高速で画像を復元できる。ウェーブレットの重要な特徴は、多重解像度解析であることである。つまり、分解して得られた低周波成分を原画像と考えれば、これをふたたび高周波成分と低周波成分に分けることができる。このことは、原画像が各レベルの高周波成分の集まりであることを意味する。高周波成分は、量子化すれば情報量がきわめて少ないことがわかっており、このことが情報圧縮を可能にしている。ウェーブレットのもつもう一つの重要な性質は、画像のウェーブレット分解で得られる低周波成分が、分解する直前の画像の最良近似になっていることである。これは当研究で得られた成果の一つである(代表者の第1論文)。代表者による第2論文では、ドゥビシイのウェーブレットを医用画像に適用してその有効性を確かめた。 ドゥビシイのウェーブレット解析で得られた画像の高周波成分を量子化しさらに2値化すると曲線の集まりが得られる。それはちょうど文字パターンのように見える。代表者による第3論文では、それらのパターンを高速で認識する連想記憶モデルを開発した。このモデルは、2値記憶パターンの引き込み領域とそれから導かれる等号制約条件つき最小化問題をラグランジュの方法で解くことによって得られ、ネットワークの結合荷重を高速で決定できる特徴をもっている。このモデルを用いてシミュレーションを行なったところ良好な結果が得られた。
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[Publications] 新島耕一: "Waveletの数学的基礎と画像データ圧縮について" [変動現象の確率過程モデルと応用に関する時限研究会]講演論文. 1-4 (1994)
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[Publications] 新島耕一,馬詰義明: "ウェーブレット変換による画像の圧縮と復元" 日本ME学会専門別研究会講演論文集. 125-130 (1994)
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[Publications] K.Niijima: "Domains of Attraction in Autoassociative Memory Networks" New Generation Computing. 12. 395-407 (1994)
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[Publications] Y.Mizoguchi,Y.Kawahara: "Critical pairs of relational graph rewriting system" Proc.of the 5th international workshop on graph grammars and their application to computer science. 326-331 (1994)
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[Publications] S.Shimozono et al.: "Knowledge Acquisition from Amino Acid Sequences by Machine Learning System BONSAI" 情報処理学会論文誌. 35. 2009-2018 (1994)