1994 Fiscal Year Annual Research Report
胚幹細胞(ES細胞)などを使った造血系幹細胞の増殖と分化調節機構の研究
Project/Area Number |
06808074
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中辻 孝子 東海大学, 海洋学部・(文明研究所), 講師 (00172346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中辻 憲夫 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 教授 (80237312)
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Keywords | 造血系幹細胞 / 細胞増殖と分化制御 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
研究分担者が維持するトランスジェニックマウス・ImmortoMouse(チャールズリバー)は、その細胞増殖と分化を温度によって調節できる。すなわち、ImmortoMouseは、H-2Kdのプロモタ-を温度感受性SV40 largeT抗原遺伝子に繋いだ遺伝子ベクターを用いて作成されているので、このマウス由来細胞は33℃で増殖促進状態となり、39.5℃で細胞増殖は抑止され分化状態となる。多分化能を保持する造血系幹細胞の増殖と分化調節機構に関する本研究の平成6年度の研究計画に沿って、研究代表者は、このImmortoMouseの極めて初期の胎仔胚(胎令7〜10日)から血島(blood island)が形成される部位を含む卵黄嚢をとりだし長期培養と継代による細胞増殖と分化の誘導を試みた。その結果、全能性幹細胞とみられる細胞から種々の造血系幹細胞の増殖と分化状態が得られる可能性を見いだした。 当初に計画した平成6年度における研究のうち、トランスジェニックマウス由来の造血系不死化細胞の増殖と分化調節可能な培養系の確立に関しての研究目的はほぼ達成された。然も、この実験系によって、学術上不明な全能性幹細胞の分化に関して、新しい重要な知見の可能性が得られた。今後、この実験系を使った研究を重点的に遂行する事によって、(1)赤血球ヘモグロビンタイプの胎児型からの切り替えはどのように起こるか、(2)リンパ系幹細胞からB細胞系がどのように出現するか、(3)造血系細胞とストロマ細胞との共通の幹細胞が存在するか、などの学術上重要な問題点を解明したい。また、胚幹細胞からの造血系細胞の分化についても、研究を継続中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中辻 孝子: "Association of HLA-A24 with complete P-cell" Diabetes. 42. 1086-1093 (1993)
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[Publications] 中辻 孝子: "Intracellular localiyation of the HLA class II gene products in transfected L cell." Cell Struct.and Funct.17. 55-60 (1992)
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[Publications] 中辻 孝子,中辻 憲夫: "Gene Tangetingはどこまで進んだか.研究の進展と今後の展望" 生体防御. 9. 101-105 (1992)
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[Publications] 中辻 憲夫: "Tumor necrosisfactor(TNF)-2 stimulates proliferation of mouse primordial germ cells in culture" Oevel.Biol.161. 91-95 (1994)
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[Publications] 中辻 憲夫: "Strain difference in establishment of mouse embnyonic stem(ES)cell lines." Int.J.Devel.Biol.38. 385-390 (1994)
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[Publications] 中辻 憲夫: "遺伝子ターゲティングと形態形成研究" 遺伝 別冊・6号「生物の形態形成」. 別冊6. 149-156 (1994)