1994 Fiscal Year Annual Research Report
専用並列コンピュータによる非線形緩和過程における自己組織化に関する研究
Project/Area Number |
06835026
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
池田 英幸 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80113413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 隆夫 鹿児島工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (10163031)
堂込 一秀 鹿児島工業高等専門学校, 情報工学科, 助教授 (90217612)
芝 浩二郎 鹿児島工業高等専門学校, 情報工学科, 助教授 (40178893)
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Keywords | 専用並列コンピュータ / 自己組織化 / 可変構造通信回路 / 図形言語 / 非線形緩和過程 / パーコレーション / スピノ-ダル分解 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
専用コンピュータであるが、種々のプログラムにもハード面の変更を必要としない画期的な特徴を持ち、かつスーパーコンピュータ以上の計算速度を有する並列計算機の製作を行ってきた。並列コンピュータの性能は要素コンピュータの間のデータ通信速度で決定されるので、コンピュータ間の通信回路が特に重要な研究対象となる。現在までの研究によって得られた主な成果は、(1)コンピュータ間の接続を問題構造に応じて変更する可変構造通信回路を採用すれば、現在のス-パコンピュータの主流方式であるベクトルプロセツサと同等以上の性能を発揮できる可能性を検証したこと、(2)可変構造通信回路としては、電子交換機等に使用されている半導体空間スイッチを応用した時分割多重化共通バスが有望であることを明らかにしたこと、(3)可変構造通信回路を備える並列コンピュータのプログラミングでは、図形言語によるプログラミングが有効であることを示したこと、の3点である。特に(2)については、可変構造通信回路を持つ並列コンピュータが比較的簡単に構成でき、しかもベクトルプロセッサ並の性能をはるかに安価に実現できる見通しを与えているので、実際的な観点からも重要な結論であると考えられる。次に非線形緩和過程の自己組織化について、合金のスピノ-ダル分解を計算機シミュレーションによって検討した。異方的な自己組織化は母相と析出相の弾性定数が等しい合金において見られ、母相より硬い析出相をもつ合金ではそれぞれの析出物の弾性定数の値に応じてわずかな異方性や等方的な組織を示している。異方的組織の生成は、弾性エネルギーが最小となる析出物の形状によるものではなく、非線形多体効果が関与した相分解の動的過程によることが解明された。また、しきい値以下の濃度におけるパーコレート状態の生因は等方的な長範囲相互作用ではなく、異方形な相互作用によることが明らかとなった。
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