1994 Fiscal Year Annual Research Report
動脈平滑筋細胞の増殖を抑制する内皮細胞由来サイトカインに関する研究
Project/Area Number |
06836018
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
本間 好 (財)東京都老人総合研究所, 生体情報部門, 研究員 (60192324)
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Keywords | 動脈 / 平滑筋細胞 / 内皮細胞 / サイトカイン / 細胞増殖抑制 |
Research Abstract |
正常な動脈においては、中膜平滑筋細胞の増殖は厳密に制御され増殖停止状態が維持されている。しかし一旦何らかの理由で内皮細胞の障害やそれに伴う血小板の粘着・凝集が起こると、その部位の平滑筋細胞は内膜へ遊走し増殖を開始する。この間、動脈平滑筋細胞は、形態学的に筋線維の発達した収縮型細胞から、筋線維が消退し粗面小胞体やミトコンドリアに富んだ合成型細胞に形質変換(脱分化)する。しかしこれとは逆に、合成型に形質転換した継代培養平滑筋細胞を再び収縮型へ変換すること極めて困難で、動脈組織内で平滑筋細胞の機能調節に重要な働きを持つ細胞外マトリックスや、平滑筋細胞の増殖を抑制すると考えられるヘパリンおよびTGF-βには、合成型細胞を収縮型へ再変換する活性や収縮型細胞の形質を保持する活性は検出されなかった。本研究では、血管内皮細胞由来の液性因子に着目し、正常な平滑筋細胞の形質(収縮型)誘導または保持に関与する新しい因子の検索を行い、さらにそれを同定することを目的とした。現在までに次の結果が得られている。i)コンフルエント条件下で3日間以上培養したヒト血管内皮細胞の培養上清中に、培養平滑筋細胞(合成型)の増殖を抑さえ、PDGF受容体の発現抑制や平滑筋型アクチンの発現誘導を強力に促進する蛋白性の物質が存在すること、ii)この物質は各種カラムクロマトグラフィー等により精製・濃縮されること、iii)その物質の分子量は約10万であることを見い出している。 今後、この物質をさらに各種カラムクロマトグラフィーにより精製し、その物性や生理活性を明らかにすることを目指す。また本因子を安定的に大量に産生する細胞系の検索を行う。
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[Publications] Homma,M,K.,et al.: "Enhanced phosphoinositide metabolism in colorectal carcinoma cells derived from familial adenomatous polyposis patients." J.Cell.Biochem.55. 477-485 (1994)
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[Publications] Takata,M.,et al.: "Tyrosine kinase Lyn and Syk regulate the B cell-coupled Ca2+ mobilization through the distinct pathway." EMBP J.13. 1341-1349 (1994)
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[Publications] Asano,M.et al.: "Purification and characterization of nuclear phospholipase C specific for phosphoinositides." J.Biol.Chem.269. 12360-12366 (1994)
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[Publications] Emori,Y.,et al.: "Drosophila phospholipase C-Y expressed predominantly in blastodermal cells duringlater embryonic stages." J.Biol Chem.269. 19474-19479 (1994)
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[Publications] Homma,Y.,et al.: "Evidence for the accumulation of exdative stress during cellular ageing of human diploid fibroblasts." Biochem.Biophys.Res.Commun.203. 1063-1069 (1994)
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[Publications] Homma,Y.& Emori,Y.: "A dual signal mediator showing RhoGAP and phospholipase C-δ stimulating activities." EMBO J.14. 286-291 (1995)