1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06836020
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
下門 顕太郎 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部 機能評価研究室, 室長 (30192115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高市 成子 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (00093930)
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Keywords | 血管平滑筋 / 遊走 / 細胞周期 / 細胞骨格 / チロシンりん酸化 / 阻害剤 |
Research Abstract |
(1)構造の異なる3種類のチロシンりん酸化阻害剤、methyl 2,5-dihydroxycinnamate,genistein、Herbimycin AはPDGFによる血管平滑筋遊走を阻害した。阻害の程度はmethylcinnamateが最も強くHerbimycin Aが最も弱かった。遊走のアッセイに用いたBoyden chamber法では単離細胞がコラーゲンでコートしたポリカーボネイトフィルターに接着することが、細胞遊走の前提条件であるが、用いた薬剤のうちHerbimycin Aは遊走を阻害すると同等の濃度で細胞接着を阻害したが、他の2種の阻害剤は、ほとんど細胞接着を阻害しなかった。 阻害の機序を検討したところ、少なくともその一つは、細胞骨格であるストレス ファイバーと微小管の再構成が阻害されことによると考えられた。また細胞辺縁のチロシンりん酸化が阻害されることが明かとなった。 (2)3種類のチロシンりん酸化阻害剤はPDGFによる誘導される平滑筋のDNA合成を阻害した。効果はHerbimycin Aで最も強く、遊走阻害とはことなる用量曲線が得られた。細胞周期における作用を調べたところ、G1期、S期、一部M期を阻害することが判明した。当初予想された、PDGFレセプターの自己りん酸化は阻害されず、またPDGFによるc-fos mRNAの誘導も阻害されなかった。 以上のことよりPDGFにより惹起される細胞増殖と遊走には異なるチロシンりん酸化反応が関与していると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimokado K,et al.: "Protein tyrosine kinase inhibitors inhibit both proliferation and chemotaxis of vascular smooth muscle cells." Ann NY Acad Sci. 748. 171-186 (1995)
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[Publications] Shimokado K,et al.: "Protein tyrosine kinase inhibitors inhibit chemotaxis of vascular smooth muscle cells" Arterioscler Thromb. 14. 973-981 (1994)
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[Publications] Shimokado K,et al.: "Bidirectional regulation of smooth muscle cell proliferation by IFN gamma." J Arterioscler.Thromb.1. S29-S33 (1994)
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[Publications] 下門顕太郎: "インターフェロンの血管壁への作用-in vitro,in vivo" Mebio. 11. 93-97 (1994)
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[Publications] 下門顕太郎: "動脈硬化とPDGF" ホルモンと臨床. 42. 941-947 (1994)
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[Publications] 下門顕太郎: "動脈硬化治療における血管平滑筋増殖制御." Pharma Mediaca. 12. 75-79 (1994)