1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06836020
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Research Institution | NATIONAL CARDIOVASCULAR CENTER RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
下門 顕太郎 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (30192115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高市 成子 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (00093930)
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Keywords | phosphatidylinositol 3-kinase / src / CSK / Chemotaxis |
Research Abstract |
1.PDGFで誘導される細胞遊走に必須であると報告されていた、phosphatidylinositol 3-kinase(PI3K)の特異的阻害剤を用いて、血管平滑筋の細胞遊走にはPI3Kが関与していないことを見いだした。この所見から同じPDGFによる細胞遊走であっても、細胞の種類により異なる細胞内情報伝達機構が働いていることが考えられた。情報伝達機構を標的とした循環器疾患治療を考える上で重要な所見である。 2.昨年度までに異なるチロシン キナーゼでは、PDGFによる細胞遊走と増殖にたいして、阻害作用に差があることを明らかにした。増殖を抑制するが遊走は抑制しないherbimycin Aを用いて、herbimycin Aにより抑制されるsrc kinaseは細胞遊走に関係しないことを明らかにした。src kinaseの細胞遊走における役割をさらに検討するため、src kinaseを抑制するCSK kinaseを欠損する細胞を用いてPDGFによる細胞増殖、遊走を調べた。その結果、CSK欠損細胞はPDGF刺激にるDNA合成は抑制されていたが、PDGFによる遊走は抑制されていないことが、明らかになった。これらの所見はPDGFによる増殖と遊走が異なる細胞内情報伝達機構を介しているという従来の仮説を指示する結果であった。
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