1994 Fiscal Year Annual Research Report
生命倫理学と環境倫理学の統合理論構築のための基礎的研究
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06851003
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
森岡 正博 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (80192780)
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Keywords | 人間の本性 / 生命倫理 / 環境倫理 |
Research Abstract |
生命倫理学と環境倫理学の統合理論を構築するための思想的枠組みとして、人間の生命の三つの本性という切口を考案した。それは、「連なりの本性」「自己利益の本性」「ささえの本性」の3つである。これらは、人間が地球上の自然の中で、生命として存在するときの、基本的な本性であると思われる。これら3つの本性を考察することによって、生命を扱う生命倫理学と、自然を扱う環境倫理学が、統一的な視野のもとに、ともに議論できるようになる。 「連なりの本性」とは、人類が生命40億年の進化の果てに登場した事実に由来するものであり、自然と一体となることによって生の自己実現をはかろうとする本性である。「自己利益の本性」とは、人間が他の生命体を自分たちのために利用することで生きのびてきたという事実に由来するもので、自分たちの生き残りと快適な生のためには、他の生命体を利用してもかまわないと考える本性である。「ささえの本性」とは、人間が集団を組むことで生存してきたという事実に由来する本性であり、困っている人や苦しんでいる人を見たときに思わず助けてあげたいと考える本性である。これら3つの生命の本性の相克と調和の相のもとに、生命倫理学と環境倫理学の統合の第一歩が果されるのである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 森岡 正博: "人間の生命の始まりと生命倫理学" 法哲学年報. 1993. 19-24 (1994)
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[Publications] 森岡 正博: "脳の人工臓器化と脳蘇生術の発展に伴う脳死概念の変容" 生命倫理. 4-2. 61-65 (1994)
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[Publications] 森岡 正博: "人間の誕生と廃棄" 多田富雄ほか編「生命-その始まりの様式」. 169-195 (1994)
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[Publications] 森岡 正博: "生命観を問いなおす" 筑摩書房, 205 (1994)