1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06854022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長濱 裕幸 東北大学, 理学部, 助手 (60237550)
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Keywords | 地殻応力 / フラクタル / 断層面形状 / トライボロジー / 表面粗さ測定器 / 地質応力計 / 非線形構成則 / 活断層分布形状 |
Research Abstract |
1.断層面サンプルの採集と断層分布形態調査:近畿・中部日本の主要活断層・構造線沿いの断層面サンプルの採集と断層分布形態調査(重点調査地点20ヶ所、40日間)をおこなった. 2.断層面形状の三次元定量解析:科研費で購入した表面粗さ測定器を用いて天然断層面の三次元的形状の定量的解析をおこなった.また,採取した断層面をポリエステル樹脂で補強し,薄片法(微細構造の解析)とSEM像によっても同時に同一サンプルを用いて断層面形状の測定をおこなった.これらの断層面形状の特性をフラクタル幾何学の知識を用いて定量的に解析し,測定スケールによらない断層面の三次元的な広がりを把握した.さらにこの断層面形状に関するフラクタル特性値と断層内物質のフラクタル特性値(平成5年度文部省科研費を用いて既に測定済み)との相関を明らかにした. 3.岩石脆性破壊実験のデータとの比較解析と断層面形状に関する地質応力計の提出:物質の変形特性を扱うトライボロジーの知識を用いて,断層面形状に関する天然のフラクタル特性データと既に入手した岩石破壊実験データ及び破壊面形状データを整理し解析した.この際,断層面形成に関する岩石摩耗の非線形構成則(岩石の摩耗特性の時間的変化)を決定し,断層面形状に関する地質応力計を確立した. 4.地殻の応力レベルの見積りと現実的な脆性断層モデルの提出:断層面形状のフラクタル特性から断層の形成条件や形成場(地殻の強度・不均一度・断層の成熟度・深さに伴う断層面形状の広がりなど)について言及し,さらに本研究で得られた地質応力計を用いて脆性領域における地殻の応力レベルの算出をおこなった.研究計画3の結果を日本列島における活断層分布形状に応用し,地殻の応力(強度)分布図を作成した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 島崎邦彦,長濱裕幸: "地震はでたらめに起こっているのか?" 科学. 65. 132-153 (1995)
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[Publications] H.Nagahama: "Fractals and Dynamic Systems in Geoscience" J.H.Kruhl(編集),Springer-Verlag,Berlin, 25-36,△(422) (1994)