1994 Fiscal Year Annual Research Report
ギンヅブルグ・ランダウ方程式系を用いた動画像における移動物体の抽出と地と図の分離
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06855044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
湯浅 秀男 名古屋大学, 工学部, 講師 (10191470)
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Keywords | ギンヅブルグ・ランダウ方程式 / 反応・拡散方程式 / 動画像 / 地と図 / オプティカル・フロー / ランダムドット / 発展方程式 / 自律分散 |
Research Abstract |
本研究は,画像認識における注目領域(図)の決定方法に関するものである.画像中の注目点をどう決定するかの問題であるが,蛙などの原始的な動物は運動物のみを注目することが知られているのでその実現を試みた.これまでにも運動物体を抽出する方法はいろいろ提案されているが,多くが静止画の特徴抽出を基本としているため,特徴のない画像(例えばランダムドット画像)の運動物の抽出は不可能だった.本研究では,特徴抽出を用いず,反応・拡散方程式系の一種であるギンヅブルグ・ランダウ方程式系による定式化という全く新しい方法を提案し,実際に特徴のない画像(ランダムドット画像)の運動物の抽出が可能であることをコンピュータ・シミュレーションにより示した. ギンヅブルグ・ランダウ方程式系は,時空間パターン形成を扱う際の最も簡単なモデルのひとつであり,かつユニバーサル・モデルでもある.この系は,関数空間上にポテンシャル汎関数をもつ勾配系であり,その分岐により収束する状態を制御することができる.そこで局所的に安定な平衡状態を2つ用意し(双安定素子),一方を“地"に,他方を“図"に対応させる.ギンヅブルグ・ランダウ方程式系は,拡散項の影響により同一状態が集る傾向がある.そこで,各画素で局所的な速度情報を求め,その値を初期値として系を時間発展させることにより,画面全体を2つの代表速度領域(“地"と“図")に分割する.本方法は画像の特徴抽出やマッチングを行っていないため,演算は局所的な情報のみで完全な並列計算が可能である.コンピュータ・シミュレーションの結果,静止画としては特徴のないランダムドット画像からも,移動領域(図)を分離することができた.さらに“地"の領域が速度をもつ場合(頭を動かしながら見た画像)でも,本当の移動物体(図)を分離できた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 湯浅 秀男: "シナジェティクスと協調制御〜画像認識問題を例として〜" 平成6年電気学会全国大会講演論文集. 13. S.18-1-S.18-4 (1994)
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[Publications] 上山 英三: "ギンヅブルグ・ランダウ方程式を用いた動画像の地と図の分離" 日本神経回路学会第5回全国大会講演論文集. 301-302 (1994)
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[Publications] 横井 敬明: "反応・拡散方程式系によるランダムドットステレオグラムの解析" 第6回自律分散システム・シンポジウム資料. 33-36 (1994)
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[Publications] 上山 英三: "ローカルなクラスタリングを用いたギンヅブルグ・ランダウ方程式による動画像の地と図の分離" 第6回自律分散システム・シンポジウム資料. 41-46 (1994)