1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06855045
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 政生 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (30170781)
|
Keywords | LSI / 設計自動化 / CAD / レイアウト / アルゴリズム / データ構造 / 計算幾何学 |
Research Abstract |
本研究は、素子や配線を図形そのものとしてとらえることによってLSIのレイアウト設計を行う、複雑な設計規則に柔軟に対応する新設計方式を確立することを目的として行われた。本研究の成果を以下にまとめる。 1.スケッチ表現に基づく多層レイアウトシステムの開発:配線情報のラフスケッチを計算機上で表現する方式として「スケッチ表現」を提案し、計算機上に実装した。これは、三角形分割を基本としたデータ構造に基づいており、概略配線、配置および概略配線の微調整、コンパクション、最終配線形状への変換といった基本ソフトウェアからなっている。特に本年度は、概略配線手法、配線可能性検証手法、および、スケッチ最適化手法に焦点をあて、提案手法を学会で発表した。これにより、柔軟性の格段に高いレイアウト設計が可能となった。また、提案手法がLSIの信号線の設計のみならず、クロック配線、電源・グランド配線やパッケージの設計にも適用可能であることを示した。 2.最適グラフ描画手法の構築:与えられたレベル付きグラフを枝の交差が最小となるように平面上に描画する問題に対して最適解を求める手法を構築した。また、計算機に実装することにより、その有効性を示した。基本的データ構造に二分決定グラフ(BDD:Binary Decision Diagram)を用いることにより、従来では実用的な時間内に解くことができなかった規模の問題が解けることを示した。これは単に問題を解いたというだけではなく、実現可能解のすべてを陰に列挙可能としているところに価値がある。この手法はデータフローグラフの描画、ネットリストの描画などに応用される。
|
-
[Publications] 松本英幸: "節点がレベル付けされたグラフの最小枝交差描画問題に関する一考察" 情報処理学会 アルゴリズム研究会 研究報告. 41. 49-56 (1994)
-
[Publications] 田中秀彦: "スケッチレイアウトシステムにおける配線可能性検証" 情報処理学会 設計自動化研究会 研究報告. 95. 113-120 (1995)
-
[Publications] 金沢正博: "ビアの削減を目的とした階層的概略配線手法" 情報処理学会 設計自動化研究会 研究報告. 95. (1995)
-
[Publications] 長谷川雄一: "スケッチレイアウト最適化手法-スペーシングと引き剥し再配線-" 電子情報通信学会 VLSI設計技術研究会 技術報告. 94. (1995)