1994 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶媒にとけるDNA-脂質複合体の作製とフィルム化
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06855109
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
江原 靖人 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40251657)
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Keywords | DNA / DNA-脂質複合体 / キャストフィルム |
Research Abstract |
本研究は,DNAとカチオン性脂質から脂溶性のDNA-脂質複合体からキャスト法やLangmuir-Blodgett法を用いてDNA二重らせん鎖が一方向に配向した薄膜を作製し,リオトロピックやサーモトロピック液晶としての性質や二重らせん鎖に沿った電子移動材料としての可能性を探ることを目的として以下の成果を得た。 1)サケ精子由来のDNA(分子量200万以上)を超音波照射により切断し、分子量10万位の長さのそろったDNA二重鎖を調整した。DNA中のリン酸アニオン量と等モルのジアルキルアンモニウムカチオン性脂質を加えて、DNA-脂質複合体のポリイオンコンプレックスを沈殿として得た。これを有機溶媒-水から再沈殿精製した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー,元素分析,UVスペクトル等からDNA-脂質複合体が有機溶媒中や粉末状態でも安定な二重らせん構造をとっていることを確認した。 2)DNA-脂質複合体のクロロホルム溶液をキャストして透明なフィルムを得た。これを一方向に延伸したフィルムの偏光吸収スペクトルやX線回折の結果から,DNA二重鎖が延伸方向と平行に配向していることが明らかになった。 3)DNA-脂質複合体のクロロホルム溶液を水面上に展開して単分子膜を作製し,垂直浸漬法によりガラス基板上に累積した。得られたLB膜の偏光吸収スペクトルやX線回折の結果から,DNA二重鎖が累積方向と平行に配向していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)