1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06857020
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
尾崎 俊寛 弘前大学, 医学部, 助手 (30194541)
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Keywords | IgA抗体 / マンソン住血吸虫 / 旋毛虫 / 免疫組織染色法 / ELISA法 / マウス |
Research Abstract |
IgAモノクローナル抗体産生細胞株の作製のために、BALB/cマウスに約200匹のプエルト・リコ株マンソン住血吸虫セルカリアを感染させて,それぞれ4・5・6・7・8・10・12週目に肺門・肝門・腸間膜リンパ節細胞を取り出して,常法に従って細胞融合を行った。クローニングを2〜3回繰り返して,多数のIgA抗体産生株を分離した。これらの中で,最も抗体価の高いIgAモノクローナル抗体を用いて間接ペルオキシダーゼ酵素抗体法を実施した結果,ホルマリン固定等の処理を施した虫卵内の卵膜とミラシジウムの間に存在する部位が最も強く褐色に染まり,ミラシジウム自体にも弱いながら抗原性が存在することがわかった。今後,これらのモノクローナル抗体を用いた免疫組織染色法で,IgA抗体産生細胞の動態を経時的に検討する予定である。また,マンソン住血吸虫の虫体及び虫卵を抗原としたELISA法で,感染BALB/cマウス血清中のIgA抗体価の推移を調べたところ,感染後4週目でこれらの抗原に対して抗体価は陽性で,その後は緩やかに上昇し,感染7〜8週目から急激に上昇した。この急激な抗体価の上昇は雌虫体の産卵開始時期と相関するものと考えられた。 現在,ICRマウスに旋毛虫感染期幼虫を経口感染させ,モノクローナル抗体の作製を試みていて,感染期幼虫抗原に対する血中IgA抗体とIgA抗体産生細胞の動態を検討中である。また,マンソン住血吸虫の感染に対して,マウス(好適宿主)とラット(非好適宿主)の中間的な感受性を有するモルモットの免疫担当細胞(リンパ球など)に対するモノクローナル抗体の作製も試みているが,モルモットの本症に対する感染防御免疫機序の解明に寄与できると考えている。
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