1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06857135
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井上 正久 岡山大学, 歯学部, 助手 (20223274)
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Keywords | 癌遺伝子 / エナメル上皮種 / PCR |
Research Abstract |
本研究は、エナメル上皮腫における増殖能、細胞学的悪性度を明らかにする目的で、エナメル上皮腫、エナメル上皮腫再発例、悪性エナメル上皮腫における増殖細胞核抗原(PCNA)、5種の癌遺伝子産物、p53癌抑制遺伝子産物の発現を免疫組織化学的に検索し、さらに、細胞増殖能と各種遺伝子産物の発現の相関性について検討したものである。その結果から以下のことが示された。 1.悪性エナメル上皮腫のPCNA陽性率は、エナメル上皮腫に比べ有意に高値を示し、PCNAがエナメル上皮腫の増殖能の指標として有用であることが示された。 2.c-myc蛋白質はPCNA陽性率と正の相関を、ras蛋白はPCNA陽性率と負の相関を示した。 3.c-erbB-2蛋白質は、PCNA陽性率と有意な相関を認めなかった。 4.c-erbB-1蛋白質、c-erbB-3蛋白質の発現は認めなかった。 5.p53蛋白質は、PCNA陽性率で高値を示した悪性エナメル上皮腫、一部のエナメル上皮腫で発現を認め、これらの症例におけるp53蛋白質の異常が示唆された。 本研究における、c-myc、ras、p53蛋白質の免疫組織化学的検索結果、PCNA陽性率で高値を示した一部のエナメル上皮腫で悪性エナメル上皮腫に類似した陽性細胞率および染色性を示したことから、これらのエナメル上皮腫が、悪性エナメル上皮腫と類似した生物学的性格を有することが示唆された。以上より、PCNA、c-myc、ras、p53各蛋白質の免疫組織化学的検索がエナメル上皮腫の細胞学的悪性能に対するスクリーニングとして有用であることが示唆された。以上の研究成果の一部は、第36回歯科基礎医学会総会(大坂、1994)において発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Nagai: "Immunohistochemical demonstration of tenascin and fibronectin in odontogenic tumors and human fetal tooth germ" Oral Oncology. 30. 191-195 (1994)
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[Publications] 林 勝彦: "エナメル上皮腫、悪性エナメル上皮腫の増殖細胞抗原(PCNA)による免疫組織化学的検討" 口腔科学会雑誌. 44. 7-13 (1994)
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[Publications] 日名 雅彦: "歯原性腫瘍のエナメル基質蛋白、IV型コラーゲン、ファイブロネクチン局在の免疫組織化学的研究" 岡山歯学会雑誌. 13. 57-66 (1994)