1994 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う顎骨骨塩量の変化と咀嚼機能との関連性に関する研究
Project/Area Number |
06857151
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小野田 利枝 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (50254793)
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Keywords | 総義歯 / 加齢 / 骨塩量 |
Research Abstract |
加齢と共に骨密度が減少することは、高齢者に必発する生理的現象であるが、咬合力の支持を主に顎骨に求める総義歯装着者の加齢変化については組織学を中心とした形態計測学的報告は数多いが、顎骨の質的な加齢変化についての解明は未だ少ない。総義歯装着者の下顎骨は、咀嚼運動、咬合圧等の外力を直接顎骨内部に受け、様々な方向へ作用する筋の付着があることから、他の長管骨とは異なった環境下のもとで骨構造を絶えず改築されている。そこで今回、機能的に予後良好な総義歯装着者を対象に、顎骨組織における質的な加齢変化と咀嚼機能との関連を明らかにすることを目的に、非侵襲的に顎骨骨塩量と体幹骨骨塩量を測定し以下の結果を得た。 1.下顎骨骨塩量測定にあたっては、下顎骨がスキャン方向に対し常に一定の位置を保つよう顔面正中矢状面がスキャンテーブルに約20度となる固定装置を作製した。 2.Dual Energy X-ray Absorptiometry(DEXA)による下顎骨の骨塩量の定量にあたり、成人乾燥頭蓋骨の計測を行ない変動係数を求め、規格再現性が確認された。また正常有歯顎者を対象とした顎骨骨塩量の測定から頭部規格装置の実用性が確認された。 健常成人において、腰椎と踵骨の骨塩量は、加齢、年齢、性別による変化により違いを示した。 下顎骨骨塩量は60代以降加齢に伴い減少する傾向が認められたが、咀嚼機能との関連性は認められなかった。 下顎骨と体幹骨の骨塩量には相関を示す結果は得られず、今後、骨構造を考慮した測定部位の設定が必要と考えられた。
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