1994 Fiscal Year Annual Research Report
新規生物活性物質探索系の構築をめざす柴胡桂枝湯の抗癲癇作用機構の逆転遺伝学的解析
Project/Area Number |
06858063
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永沢 秀子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90207994)
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Keywords | てんかん / けいれん / 柴胡桂枝湯加芍薬 / ペンチレンテトラゾール / differential hybridization / クローニング / カルシウム流 / 3'非翻訳領域 |
Research Abstract |
1.当研究室でdifferential hybridizationの手法によって選別し、クローニングされた、けいれん誘発剤ペンチレンテトラゾール(PTZ)の刺激によって転写が増強あるいは抑制される遺伝子群(20個)についてシークエンスを行った。このうち、特にSEZ17は、Xenopus卵母細胞に注入した場合、PTZ応答を誘発することからけいれん関連遺伝子であることが予想されたため詳細に検討した。 2.SEZ17の3'UTRにおける繰り返し配列中にマウスの系統によって異なる変異点が存在することを見いだし、種々のマウスの当該配列のdirect sequenceを行った。さらに、SSCP法による上記の変異の同定方法を検討し、ヘテロ2重鎖の泳動パターンの違いに基づく新しい変異検索方法を開発した。一方、3'UTRに見いだしたこの変異によって、異なる翻訳制御が行われていることをXenopus oocyte発現系を用いCATアッセイによって証明した。 3.SEZ17のゲノムのシークエンス(約9.5Kb)及び解析を行った。この範囲には、2つのエキソンが存在したが、開始コドンを含む5'端部分はさらに上流に存在することがわかった。 4.SEZ17、SEZ4について各々2ヵ所、SEZ8については1ヵ所の抗原ペプチドを設定して、その合成、精製、配列の確認を行った。これらのペプチド抗原をウサギに注射して抗体を作成した。 現在は、上記の抗体を用いて翻訳産物の単離、構造決定に関する検討を行っている。またこれらのけいれん関連遺伝子の発現に柴胡桂枝湯加芍薬がどう影響しているかについて今後、明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)