2006 Fiscal Year Annual Research Report
電子-イオン同時計測運動量画像法を用いた分子の光イオン化・光解離の研究
Project/Area Number |
06F06064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 潔 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIAOJING LIU 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 運動量計測 / 同時計測 / 角度分解光電子分光 / 内殻励起 / サイト選択解離 / 分子座標系 |
Research Abstract |
イオンの運動量測定の分解能を向上させるため、イオン飛行時間運動量分光計を改良した。改良したイオン飛行時間運動量分光計を放射光実験施設SPring-8に搬入し、BL27SUに設置された電子分析器と組み合わせてオージェ電子-イオン同時計測運動量画像分光装置を組み立てた。 CH_3ECF_3SF_5分子の内殻電子をイオン化した後に起こる分子解離について、オージェ電子と解離イオンを同時計測し、局在した内殻正孔生成によるサイト選択的解離に関する知見を得た(Fukuzawa et al.Chem.Phys.Lett.431,253(2006);ivid. Chem.Phys.Lett436,51(2007))。 CH_3FのF 1s電子を反結合性空軌道に励起すると超高速分子解離がおこることが知られている。"F原子"から放出されるオージェ電子とF^+イオンや他の解離イオンの運動量相関を測定し、解離に伴う電荷移動を明らかにした(投稿準備中)。 直線分子が内殻イオン化後にオージェ過程を経て2価イオンを生成して二体クーロン解離をする場合に注目し、内殻光電子と2個の解離イオンの運動量の同時計測データから、分子座標系における角度分解光電子分光に関する完全な情報を得るためのプロジェクション解析法を確立した(Liu et al.J.Phys.B40,485(2007)。 放射光実験施設SPring-8のBL27SUにおいて、CO, NO, CO_2,N_2O分子等の内殻光電子-イオン-イオン同時計測運動量分光実験を遂行した。それぞれの分子についてプロジェクション解析法を用いて実験データから分子座標系における角度分解光電子放出を記述する4個の1次元関数を完全に決定した(投稿準備中)。
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