2007 Fiscal Year Annual Research Report
電子-イオン同時計測運動量画像法を用いた分子の光イオン化・光解離の研究
Project/Area Number |
06F06064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 潔 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIAOJING LIU 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 電子-イオン同時計測 / 光イオン化 / 光解離 |
Research Abstract |
1. 電子とイオンとのすべての同時計測事象を有効に用いて内殻光電子放出の分子座標系における角度分布を得るための解析手法としてプロジェクション法を確立した。これにより、これまでノイズに埋もれていた微細な構造や強度の非常に弱い光電子サテライトを対象とした研究が可能となった。 2. 上記の手法を用いて、分子のF1s光電子放出の分子座標系角度分布は、局在したF原子からの電子放出としてよく記述できることを見出した。また、CO_2分子のC1s光電子サテライトが出現するしきい値近傍での光電子サテライト分子座標系角度分布から、光電子サテライトが内部非弾性散乱により出現することを明らかにした。 3. さまざまな希ガス2量体について上記と同様な同時計測を適用し、内殻光電子放出・オージェ電子放出に続いて起こる原子間クーロン緩和を捉えて帰属することに成功した。原子間クーロン緩和は2量体の核間距離が大きい時は仮想光子交換項(direct Coulomb integral)による寄与が支配的であるが、小さくなると電子交換項(exchange Coulomb integral)の寄与も無視できないこと、遷移の週状態によっては電子交換項が支配的となること等を見出した。
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