2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体中の形状を制御した無機機能性ナノマテリアルの合成
Project/Area Number |
06F06080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 岳彦 東京大学, 大学院新領域創成創成科学研究科, 淮教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JINHU Yang 東京大学, 大学院新領域創成創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノ粒子 / 形状制御 / 界面活性剤 / イオン液体 / TEM / SEM |
Research Abstract |
本年度9月末に来日してから研究を開始した。本研究の目的は、外形およびナノ細孔の形状を制御したナノマテリアルの合成を遂行することで、新規機能性の発現を目指していくことである。そのプロセスにおいて、イオン液体を利用して形状制御を行うことを特徴としている。 まずはじめに様々なアルキル置換基をもつジアルキルイミダゾリウムカチオンを有するイオン液体を合成し、キャラクタリゼーションを行った。アニオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン、PF_6^-イオンである。この準備と並行して、ナノマテリアルとして、触媒活性、磁性に関して期待される点の多い、コバルト酸化物をターゲットとして選定し、溶液プロセスにより構造制御の実験を開始した。反応にはテフロン・オートクレープを用いた。塩化コバルト水溶液に還元剤として過酸化水素水を加え、ジメチルホルムアミドとアセトニトリルを加えて反応させたところ、Co3O4の微粒子が得られた。TEMにより、1個ずつが単結晶を示していることが分かった。反応条件として、界面活性剤Triton X-100を加えたところ、粒子サイズが200nmとほぼ一定に制御されることがわかった。別の反応条件として、アセトニトリルを含まないで反応させたところ、幅1ミクロン、厚さ50nm以下のナノベルトが生成した。SEMおよびTEMにより観察され、更に、TEMにより電子回折を観測したところ、単結晶をしめす回折スポットが見られた。この試料に関しては、ラマン測定をおこなうことにより水酸基の存在が認められた。現在は、X線回折強度に基づくリートベルト解析と、それによる回折スポットの説明に取り組んでいる。他にもエチレングリコールの存在や、CTACの存在により特徴的な形状のナノ単結晶粒子の合成が確認されたので、構造を解析中である。現在は、イオン液体を加えた構造制御について反応条件の設定に取り組んでいる。
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