2008 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマイオン照射法による二層カーボンナノチューブ内部でのp-n接合形成
Project/Area Number |
06F06336
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畠山 力三 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Yongfeng 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 二層カーボンナノチューブ / プラズマイオン照射 / p-n接合形成 / 原子・分子内包 / Qマシンプラズマ |
Research Abstract |
1.昨年度の成果により,アルカリ塩であるヨウ化セシウム(CsI)を用いてアルカリ-ハロゲンプラズマを生成し,二層カーボンナノチューブ(DWNT)へのヨウ素(I)負イオン,セシウム(Cs)正イオンを順次照射することによって,pn接合構造を内包したDWNTの創製に成功している.本年度はさらに,フラーレン(C_<60>)とCs,C_<60>と鉄(Fe)等を内包したDWNTを作製し,その電気特性評価を行うことによって,DWNT内にpn接合が形成されていることを実証するとともに,pn接合による整流特性が大気中でも安定であることを明らかにした. 2.金属特性を示すDWNTにC_<60>を内包し,そのドレイン-ソース間の電圧V_<DS>-電流I_<DS>特性を調べたところ,電圧の増加に対して電流が急激に減少する負性微分抵抗(NDR)特性が室温において観測された.このNDR特性は10〜400Kの広範囲の温度領域で観測され,さらに電流の最大値と最小値の比(山谷比)がほぼ全ての試料において10^4以上の高い値を示すことが明らかとなった. 3.このNDR特性を示すC_<60>内包DWNTに390〜800nmの紫外・可視領域の光を照射することによって,電流の山谷比が増大することを初めて観測するとともに,光照射を停止することで元の状態に復元することを明らかにした.この現象は,NDR特性を光によって制御できることを示しており,ナノ光スイッチングとしての応用が期待できる.
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