2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06343
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大澤 雅俊 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAMJESWKE Gabor 北海道大学, 触媒化学研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | 赤外分光 / 分光イメージング / 固液界面 / 表面増強赤外吸収 / 電気化学振動 / ホルムアルデヒド / 電極触媒反応 |
Research Abstract |
本研究は、固液界面で二次元的なパターンを形成しながら進行する反応(Chemical wave)を赤外分光法でリアルタイムに追跡する新しい手法を開発することを目的とする。他の光学顕微鏡と異なり、特定官能基の吸収の強弱をイメージ化すれば、時々刻々と変化する分子の分布と反応の広がりが観察できると期待される。ただし、対象は単分子以下の超微量であり、溶媒の吸収に妨害されるので、従来の通常の赤外顕微分光では実現が難しい。本研究では、内部反射配置の表面増強赤外分光法(ATR-SEIRAS)で補う。 時々刻々と変化する表面の二次元パターンを高速にイメージ化するために、分散型赤外分光機とマルチチャンネル赤外(MCT)検出器を組み合わせた新しいシステムを設計したが、軍事転用が可能なため、アメリカ政府の輸出許可を得るのに6か月を要し、納入が3月中旬にずれ込んだため、現在システム構築の最中である。 この間を利用し、測定のモデルシステムとして用いるパターン化電極の作成方法の確立に取り組んだ。さらに、chemical waveが発生すると考えられているPt表面でのホルムアルデヒドの電気化学振動の機構を検討した。ホルムアルデヒドの2電子酸化で生じる吸着COと、3電子酸化で生じる吸着フォルメートを介した2つの経路で反応が進行し、これら2つの反応経路が速度論的に結合しているために電気化学振動が生じることを初めて明らかにした。また、振動の際にCOが吸着した領域と、フォルメートが吸着した領域が生じていることを示唆する結果が得られた(投稿中)。
|