2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマーブレンド中での長距離秩序性を持つ結晶化-誘起ナノ構造
Project/Area Number |
06F06364
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 義夫 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHU Bo 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 高分子結晶 / エピタキシャル結晶 / ポリマーブレンド / 相溶性 / 脂肪族ポリエステル / ナノ構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、結晶性ポリマー/非晶性ポリマーブレンドの融解状態からの結晶性ポリマー成分のエピタキシャル結晶化を利用して、長距離に渡り均一なパターンが規則的に配置した<長距離秩序>を持つナノ構造パターンを薄フィルム中に形成させる方法を確立することである。 先ず予備実験として、研究で用いる個々の候補ポリマー材料の結晶化挙動を検討した。候補ポリマーとして、エピタキシャル結晶化を示すと期待されるポリ(3-ヒドロキシ酪酸),ポリ(コハク酸ブチレン)(PBS),ポリ(アジピン酸ブチレン),ポリ(ε-カプロラクトン),ポリ(L-ラクチド)の5種の脂肪族ポリエステルを選出した。これらのポリエステルについて、示差走査熱量計(DSC)と赤外吸収分光法(IR)を用いて結晶化動力学、融点、結晶形態及び構造の結晶化温度依存性を調べた。PBSの結晶構造は結晶化温度に依存することを見出した。 これらのポリエステルとポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルフェノール)及びチオジフェノールのブレンドについて、DSC, IR, X線回折,偏光顕微鏡などを用いて相溶性、結晶化動力学及び結晶形態を調べた。さらに、有機担体上での前出の脂肪族ポリエステルのエピタキシャル結晶化挙動をDSCとその場IR測定により調べた。数種の低分子量芳香族化合物が脂肪族ポリエステルをエピタキシャル結晶化させるための担体として有望であること、幾つかのポリエステルと芳香族化合物の系は共融的混合物を形成することなどを見出した。相溶性重合体/重合体ブレンドと共溶媒から成る三成分混合系について相挙動とエピタキシャル結晶化の研究を開始した。
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