2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06438
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 終五 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YASMIN Lubna 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トラフグ / メダカ / ミオシン重鎖 / cDNAクローニング / 筋発生 / ミオシン重鎖遺伝子 / PCR / 筋繊維 |
Research Abstract |
筋肉は動物の動きに機能する基本的な器官でその生理および代謝は生命の根幹をなす。一方、産業的に重要な生物種においては筋肉が可食部のほとんどを占め、食品化学的見地からも重要な器官である。このように基礎および応用の両面で重要な筋肉であるが、発生や成長の機構は長年の多くの研究にもかかわらず、未知の部分が多く残されている。本研究は、従来からの生化学的手法に加えて近年、進展が著しい分子生物学的技術をも駆使し、系統進化学的には脊椎動物では最も下等であるが、多産性であること、体外受精で胚発生が容易に観察できることなどの利点が多い魚類を対象として、筋線維の増殖と筋管形成の機構を明らかにすることを目的とした。 1.トラフグの胚体に特異的に発現し、成体では発現のみられないミオシン重鎖(MYH)遺伝子(MYH)、MYHM743につき、TFSEARCHプログラムで開始コドンから2kbの5'上流域のcis配列を調べた。その結果、myoDファミリーなど、筋特異的遺伝子の発現に関与する転写因子など、種々の転写因子の予想結合配列が同定された。 2.次に上記の上流域をゲノムDNAを鋳型とするPCRに付して増幅し、phrGFPベクターに挿入した。このベクターを1〜2細胞期のゼブラフィッシュ胚に顕微注入してゼブラフィッシュの発生に伴うGFP遺伝子の発現変動を調べた。その結果、GFPは受精後24〜48時間の体節に発現することがわかった。 3.さらに、GFPの発現は胚体および艀化仔魚の頭蓋筋や胸鰭筋にも発現したが、非筋組織には発現が認められなかった。 4.以上の結果は5'上流域の2kb中にMYHM743の発現に重要な役割を果たす筋分化制御因子の結合配列を含まれていることを示唆する。
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