2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織再生と保存のための新規バイオマテリアル開発
Project/Area Number |
06F06451
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAN Dong-Wook 京都大学, 再生医科学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 活性酸素種 / 緑茶ポリフェノール / 生体内分解吸収性高分子 / 正常細胞 / EGCG / PLCL複合体 / 生体安全性 / 細胞内シグナル伝達経路 |
Research Abstract |
活性酸素種(Reactive Oxygen Species)は細胞内DNA損傷、蛋白質の架橋化と酸化等を起こし、細胞の形態、生存、機能に致命的な問題をもたらす。このような活性酸素媒介の細胞損傷を防止するための方法では抗酸化剤の食餌摂取を通じて人体内の抵抗力を上昇させることが知られている。ポリフェノール化合物は最近の研究で細胞の防御機構に大きく寄与していることが明らかにされた。この研究では、緑茶ポリフェノールのEGCGを生体内分解吸収性高分子のPLCLと複合化し、哺乳動物細胞と組織での相互作用を検索する。まず、正常細胞では付着と増殖また移動を最大化し、癌細胞では細胞の挙動を抑制するEGCGの最適の生物学的活性濃度を決めた。また、PLCLをEGCGでコーティングあるいはPLCLでEGCGを抱接する方法で微小球を作製し、得られたEGCG/PLCL複合体に対して表面特性(SEM)、融解温度(DSC)、親水化程度(DCA)、官能期分布(FT-IR)、EGCG-放出パターン(sustained release)、力学的特性(引張強度、Elastic Modulus)等を測定した。さらに細胞毒性などの生体安全性(Biocompatibility)を評価し、複合体に対する細胞の反応(付着、増殖、週期、移動、壊死など)と直接関連している細胞内シグナル伝達経路(signal transduction pathway)だけでなく、MMP-2活性、NF-κB発現及びMAPK燐酸化を解明しEGCG/PLCL複合体の可能な作用機構を明らかにしている。
|
Research Products
(2 results)