2006 Fiscal Year Annual Research Report
ガスや塵に隠された巨大ブラックホールのX線および可視光による研究
Project/Area Number |
06F06602
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
牧島 一夫 (独)理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GANDHI Poshak (独)理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | ブラックホール / 質量降着 / 活動銀河核 / 宇宙X線 / 科学衛星 / 一般相対論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、恒星質量ブラックホールから、数億光年の彼方の銀河たちの中心にある巨大ブラックホールまで、さまざまなブラックホールへの質量降着を理解することである。理研および英国の研究者と協力することにより、稼働中の「すざく」衛星に対し、2つの観測提案を行うことができた。観測対象は、濃いガスに隠されていると考えられる巨大ブラックホールで、「すざく」の優れた性能利用し、ガスを透過してくる硬X線を検出するものである。 英国および米国の共同研究者の協力し、南米チリにあるVery Large Telescopeと呼ばれる光学望遠鏡に、観測時間を確保することができた。この観測の目的は、GX 339-4と呼ばれるブラックホール連星の、ひじょうに早い光変動を捉えようとするもので、可視光と同時にX線の情報も得る必要があるので、米国のRXTE衛星に対しても同じ天体の観測時間を申請している。 G.Miniuttiらと協力し、ブラックホールの周辺で強い重力の効果により、光線が曲がるという一般相対論的効果を研究している。この効果は、X線スペクトルに無視できない効果をもつが、どこまで普遍的かまだ不明な点が多い。そこで本研究では、宇宙背景放射の性質から、逆にそうした「光線の曲がり」効果を受けている巨大ブラックホールがどの程度の割合で存在するか、制限をつけることを試みている。初期成果は、12月に京都で開催された「すざく」国際研究集会のさい、P.Gandhiによりポスター発表された。
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